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[オピニオン]魯会燦判決と正義

Posted February. 16, 2013 03:31,   

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法律や判決は正義に合致しなければならない。米国で連邦最高裁判官を意味する「Justice」とは、正義を意味する言葉と同じだ。ドイツ語では法律を「Recht」という。この言葉は、正義の意味としても使われる。それなら、正義に合致しない法律や判決に従うべきかと、問わざるを得ない。法律と同様に効力を持った維新時代の緊急措置が、次々と違憲判定を受け、その緊急措置に則った最高裁判所の判決が覆されることを、我々は目の前で見ている。簡単に、「悪法も法だ」、「悪い最終審も最終審だ」とはいえない時代となっている。

◆進歩正義党国会議員である魯会燦(ノ・フェチャン)氏が一昨日、最高裁から通信秘密保護法違反で、有罪が確定され、議員職を失った。魯議員は05年、旧国家安全企画部(現在の国家情報院)が8年前に作った盗聴録音記録を引用して、三星(サムスン)グループから、「賄賂」を受け取った元現職の幹部検事7人のリストをネット上に掲載した。捜査機関は、盗聴記録とは、その内容が事実に合致しても、ほかの証拠がない限り、真実だとはみなせない。これを受け、賄賂を受け取った検事らへの捜査はきちんと行われず、結局、起訴すらされなかった。かえってこの事実を報道したMBCのイ・サンホ記者(15日解雇)、月間朝鮮(チョソン)のキム・ヨングァン編集長(現在は国会議長の秘書室長)などのジャーナリストや魯議員が起訴され、処罰を受けた。

◆魯議員は、公益のための暴露であり、例外を認めるべきだと抗弁している。彼は、進歩陣営の内部で北朝鮮寄りを批判し、常識の声を出してきた政治家だという評価もあり、呼応する声も高い。しかし、公益のためには盗聴もかまわないとするなら、記者らは正常な取材より、「盗聴取材」の誘惑に落ちる可能性が高く、政府や企業は、盗聴との難しい戦いを繰り広げなければならない。誰かが一方的に流した言葉がそのまま報道されれば、相手のほうは罪もないのに被害を受けかねない。それで、通信秘密保護法は、盗聴を禁止し、盗聴した内容を暴露することも同様に禁じている。最高裁も、重大な公的関心事項でない限り、例外を認めないという慎重な立場をとっている。

◆魯議員が議員職を失ったことを受け、4月に迫った再選・補欠選挙の規模が大きくなった。与党セヌリ党の李在均(イ・ジェギュン)議員(釜山影島)も同じ日、最高裁から、選挙事務長の100万ウォンの罰金刑が確定し、議員職を失った。セヌリ党の金近泰(キム・グンテ=忠清南道青陽〜扶餘)、沈學鳳(シム・ハクボン=慶尚北道亀尾甲)、無所属の(キム・ヒョンテ)議員(慶尚北道浦項南〜鬱陵)も、控訴審で当選無効刑を言い渡され、最高裁の最終判断を待っている。再選・補欠選挙で、安哲秀(アン・チョルス)前大統領選挙候補の立候補の可能性も持ち上がっている。セヌリ党の金武星(キム・ムソン)元院内代表は、釜山影島の再選挙への立候補を宣言した。魯議員の地域区であるソウル蘆原(ノウォン)兵は、朴槿惠(バク・クンへ)政府発足後、初の首都圏での対決であり、興味深い一本勝負になりそうだ。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com