Go to contents

殉職消防士の冥福を祈る

Posted February. 14, 2013 03:10,   

한국어

「現場で互いを守るために努力した姿が思い出され、目頭が熱くなる。弟に会いたい」

京畿道(キョンギド)の抱川(ポチョン)消防署119救助隊のA消防士が13日の火災現場で殉職したユン・ヨンス消防士(33・加山安全センター)を追悼し、署内の掲示板に残した書き込みだ。A消防士は記者との電話取材でも、普段から実の弟のように思っていたユン氏の死がまだ信じられず、声をつまらせた。

ユン氏は13日午前、抱川市加山面(カサンミョン)のプラスチック工場の火災現場に出動したが、天井が崩壊し、家族と仲間を残してこの世を去った。火災による負傷者を助ける救急隊員だが、人手不足のため鎮火にあたって炎と闘ったために起こった惨事だった。

ユン氏と仲間の4人は同日午前4時19分頃、加山安全センターから5キロ離れた金峴(クムリョン)里のプラスチック製造会社の倉庫から火災が発生し、出動した。10分後に到着した現場では、倉庫2棟がすでに炎に包まれ、プラスチックが燃えて有毒ガスが出ていた。

午前6時26分、2時間以上の死闘の末、鎮火した。ユン氏は疲れ果てたが、人命被害があるかもしれないと思い、現場を捜索した。彼が倉庫に入った瞬間、突然建物を支えていた柱が崩れた。天井から落ちたセメントの山がユン氏を襲った。仲間が病院に搬送したが、彼は息をひきとった。

今回の事故は、消防士不足が生んだ人災だった。2006年12月に採用されたユン氏は、救急隊員として本来は火災現場で負傷した人や消防士を応急手当するのが主な任務だ。しかし、現場に出動して消火活動をする人員が不足し、救急隊員のユン氏も消防ホースを握らざるを得なかった。

京畿地域の消防士約5950人のうち、救急・救助隊員を除く消火隊員は約3560人。京畿道の消防士1人当たりの担当人口は2004人で、韓国の平均(1208人)よりも多く、米国(1075人)の2倍、日本(820人)と香港(816人)の2.5倍にのぼる。

ユン氏が勤める加山安全センターは職員が17人で、5〜6人ずつに分かれて3交代で勤務する。火災の通報を受けた時、センターには消火隊員3人とユン氏を含め救急隊員2人しかいなかった。彼らは、ポンプ車、タンク車の消防車2台と救急車1台に乗って火災現場に到着した。消火隊員3人のうち2人はポンプ車とタンク車を操作し、ポンプの圧力を上げてホースに水を供給した。初期の消火でホースを握ることができる消火隊員は1人だけだった。このため、ユン氏ら消火の知識が相対的に不十分な救急隊員も消火作業をし、ホースを握らざるを得ない。

消防本部関係者は、「消防士不足のため、火災が起こると救急隊員であっても応急手当だけをすることができないのが現状だ」とし、「都内34の消防署の中で16の消防署62の地域隊は依然として1日仕事をして1日休む状態だ」と話した。

ユン氏は2011年に結婚し、妻(29)と生後100日の息子がいて、母親(63)を養う誠実な消防士だった。休憩時間には必ず携帯電話で撮った息子を自慢する「親馬鹿父さん」だった。

抱川消防署は、ユン氏を1階級特進させ、玉條勤政勲章を追叙した。ユン氏の葬儀は15日に抱川消防署長で行われ、国立墓地に安置される予定だ。



dalsarang@donga.com