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サーズより危険な中国のスモッグ

Posted February. 02, 2013 07:32,   

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スモッグが発生した中国で、チベットや台湾などの新鮮な空気を入れた「缶空気」が飛ぶように売れている。「インチキ」商法のようだが、大気汚染による中国人の不安がいかほどかうかがわせる。

1日、中国時報によると、著名な企業家で慈善家でもある陳光標・江蘇黄埔再生資源利用有限公司会長が最近売り出した「缶空気」が10日間で800万個も売れた。1缶当たりの価格は5人民元(約880ウォン)で、一般の缶ジュースのように330ミリリットルの容器に入っている。

陳会長は缶に「汚染されていないチベットと青海」と「脱工業化された台湾」、「共産党革命聖地陝西省延安」の空気が入っていると宣伝している。発売当初は、奇抜なアイディアで有名な陳会長が環境保護を喚起させるための一過性のイベントをしているという見方が多かった。そのうえ、缶には商品名がなく、本人の写真と「陳光標はいい人」と書かれている。陳会長は、香港メディアとのインタビューで、「20〜30年後には、私たちの子孫はガスマスクや酸素タンクを持って歩かなければならないかも知れない」とし、今回の販売プロモーションを環境キャンペーンと結びつけた。

しかし、北京を中心に大気汚染が1ヵ月以上続き、一般の人々が先を争って缶空気を購入している。缶に100%酸素だけが入っているのではなく、普通の空気であるうえ、値段がコーラ(約3人民元)よりも60%も高く、中味がチベットなどから持って来たものか不確であることから、中国人が「スモッグ恐怖」にとらわれていることをうかがわせる。

広州呼吸器疾病研究所の鍾南山所長は先月31日、中国中央テレビに出演し、スモッグが2002年に中国を襲ったサーズ(SARS・重症急性呼吸器症候群)より危険だと診断した。そして、「サーズが発生すれば、患者を隔離させることができ、さらなる感染をある程度防げるが、スモッグは室内の空気まで汚染するため、避けることはできない」と指摘した。

鍾所長は、さらに「大気の質と病気発生の頻度の関係に関する過去の記録を調査した結果、今回のスモッグで、北京では今後10年内に肺がん患者が60%増加すると予想される」と指摘した。大気中に直径2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質(PM2.5)は、心血管系と神経系に影響を及ぼすが、中でも呼吸器に最も大きな負担を与える。PM2.5の濃度上昇と入院率の過去の相関関係を分析した結果、現在の水準では肺がんの発病率が60%まで高まるということだ。北京のPM2.5濃度は1月に世界保健機関(WHO)の基準値(1立方メートル当たり25マイクログラム)の約40倍である993マイクログラムまで上昇した。



koh@donga.com