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〔社説〕遺体を盾にした反倫理闘争、直ちにやめよ

〔社説〕遺体を盾にした反倫理闘争、直ちにやめよ

Posted February. 02, 2013 07:32,   

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全国民主労働組合総連盟の金属労組韓進重工業支会の組合員が先月30日、故チェ・ガンソ氏の遺体が入った棺を持って、釜山市影島(プサンシ・ヨンド)の造船所に進入し、座り込み闘争に入った。チェ氏は昨年12月21日、「会社が労組に対して起こした158億ウォンの損害賠償訴訟を撤回せよ」という遺書を残して、労組事務所で命を絶った。チェ氏は、2011年2月に整理解雇され、昨年11月に復職したが、仕事がなくすぐに有給休職に入った。

チェ氏が会社の仕事をできずに命を絶つに至ったことは非常に残念なことだ。しかし、強硬労組員が棺を持って座り込みをしたため、チェ氏は亡くなって約40日が過ぎても葬儀ができずにいる。韓進重工業支会は2003年にも、損害賠償訴訟の撤回、賃金団体交渉などを要求して命を絶ったキム・ジュイク支会長の棺にドライアイスを入れ、1ヵ月間クレーンで座り込みをし、損害賠償訴訟を撤回させたことがある。最近起きた最も代表的な遺体を盾に取った座り込み闘争は、事件発生1年後に葬儀が行われた龍山(ヨンサン)惨事の死亡者5人のケースだ。龍山事件に関与して起訴された立ち退き住民6人のうち5人が、今回の特別恩赦で刑期を残して釈放された。

このような形で遺体を紛争に利用することは人倫に反する。支会側は、「テントに遺体を移そうとしたが、警察が阻止し、その時造船所の西門が突然開き、偶発的に遺体を持って会社の中に入った」と主張するが信じ難い。今からでも礼を尽くして遺体を安置し、葬儀を行うのが道理だ。

今、韓進重工業には2つの労組がある。管理職を除く全職員750人のうち74%の555人が韓進重工業労組に所属している。支会が主導する労使紛争に疲れた労働者たちが昨年新しく作った労組だ。残りの195人は支会所属だ。韓進重工業労組は1日、声明書で、「外部の団体勢力が無断乱入して遺体を盾に闘争するため、全職員が出勤できず、再び生存の危機に陥っている」という声明を発表した。また、「故人の死を歪めず、外部勢力は直ちに撤収せよ」とし、金属労組が組合員を2度殺す闘争を主導していると非難した。

韓進重工業は深刻な労使紛争で、4年間海軍船舶3隻のほか商船の受注が1隻もなかった。今も、全職員の20%しか働いていない。最近、紛争が落ち着き、エネルギー運搬のバルク船10隻の受注交渉が進んでいる。労組委員長まで出て、欧州の船主に会って受注に総力を挙げている。受注がうまくいけば、休職者300人を再び仕事場に呼び戻すことができる絶好の機会だ。しかし、外部勢力と過激労組が事態を悪化させている。経営難に直面した会社の労働者を救うことができるのは、傍若無人の闘争ではなく仕事だ。少数派の強硬支会のために被害を被る多くの労働者が嘆かわしい。