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[オピニオン]三清洞の人事安家

Posted January. 31, 2013 06:56,   

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ソウル鐘路区三清洞(チョンログ・サムチョンドン)の監査院敷地を取り囲む垣の向こう側にはあまり高くない山へ登る道がある。この道を少し上がると、1軒の韓屋が現れる。土地200坪に建坪70坪で小さい別の棟もついている。「山の中にどうして家があるのだろうか?」と首をかしげるかも知れないが、実はここは大統領府の安家(安全家屋)だ。外からは見えなくても周辺に監視カメラが設置されていて、家の中から外の動向をチェックできる。

◆この安家は大統領が休む場所ではなく、大統領府の職員が働く空間だ。大統領民生首席秘書官室の公職綱紀秘書官所属の行政官約10人は毎日ここへ出勤する。仕事が多い時は徹夜することもある。警備員もいて、倉庫のように見える別棟には卓球台もある。高位公職者候補に推薦された人を密かに呼んで直接「尋問」する時もここを活用する。大統領府の行政官は、監査院、企画財政部、検察、国税庁、機務司所属で、いわゆる「力のある」省庁出身が殆どだ。しかし、この安家の存在を知る人はあまり多くない。

◆大統領府公職綱紀秘書官室は、長官・次官をはじめ3級以上の高位公職者の人事検証を主に行う。「山の中の事務室」を使う理由は、人事検証の過程で外部へ漏れてはならない個人情報を多く扱うためだ。ここに人事ファイルが保管されている高位公職者は1万人を大きく上回る。家族関係を証明する戸籍謄本や前科記録、納税記録、兵役記録、土地台帳原簿などはもちろん、飲酒運転の有無確認書や論文目録まで所有している。専門家15人が取り組んで長次官など政務職を検証するのに通常10日ぐらいかかるという。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府で1次関門のここのハードルを越えられずに落馬した公職者は検証対象1万6849人中452人だった。殆どが不動産問題や前科、兵役問題だった。

◆最近この安家は開店休業の状態だ。李明博(イ・ミョンバク)政権の任期末なので検証する対象がないためだ。李明博大統領も5年前にはこの安家を使わなかった。盧武鉉大統領府が渡す資料を信頼できないという理由からだった。李大統領が政権初期、「コ(高麗大学)ソ(ソマン教会)ヨン(嶺南・慶尚道)」人事で批判を受けたのも偶然」でないわけだ。朴槿恵(パク・グンヘ)次期大統領もこの安家を利用しないという。人事内容が漏れるのではないかという保安意識とやはり李明博大統領府への不信のためらしい。朴次期大統領が三成洞(サムソンドン)の自宅で自分の手帳にのみ依存せず、ここで金容俊(キム・ヨンジュン)首相候補者の基礎資料でも調べていたら、結果はどうなったのだろうか。遅れた気がするが、新たな首相候補者の人選の内閣改造の過程では「人事安家」を積極的に活用してほしいものだ。