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[オピニオン]水をぶっかけられた道知事

[オピニオン]水をぶっかけられた道知事

Posted January. 25, 2013 07:34,   

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「我慢できん!!」。昨日、全羅南道(チョルラナムド)の道議会で新年の業務報告をし始めた朴鉂瑩(パク・ジュンヨン)知事を怒鳴りつける声とともに、水をぶっかけられた。統合進歩党所属のアン・ジュヨン道議員が、朴知事の顔に紙コップに入った水をぶっかけたのだ。水は顔を流れ落ちた。水だからこの程度で済んだだろうが、硫酸のような毒物だったら酷い火傷をしていた恐れもあった。びくっとせずアン議員を見つめていた朴知事は、眼鏡を外してはハンカチで顔に掛けられた水を拭いては報告を最後まで続けた。アン議員は、水をぶっかけた後、「謝罪も反省もしないで演説をすることにとうてい我慢できなかった」と言い、憂国志士ごときの語調で記者会見をした。

◆朴知事が今月8日、放送のインタビューで「(大統領選で特定候補にまとめて票を入れた)全羅道の人々が精神的にダメージを受けているが、どう癒されるだろうか」という質問に、「感情に流されたり衝動的な気持ちに駆られて投票をする姿を見せると(全羅道以外の)全国とはかけ離れた判断をすることになる」と話したことに、アン議員は激怒した模様だ。「光州土地っ子」のハンドルネームを使うネットユーザは、朴知事のホームページに書き込んだように、「道民の気持ちを考えるべき知事に裏切られたと感じたのかも知れない」。しかし、いくらそうだとしても暴力だけは容認できない。ハンドルネーム「全羅道人」のネットユーザーは、同ホームページに「全羅道100%が同じ考えをしなければならないというのなら民主主義を諦めるべきだ」と嘆いた。ハンドルネーム「非全羅人」は「朴槿恵(パク・グンヘ)は怪漢の刃物に襲われ、朴鉂瑩は従北派のテロを受けた」と書いた。

◆2011年11月22日、当時の民主労働党で現在の統合進歩党の国会議員、金先東(キム・ソンドン)氏は、国会で憲政史上初めて「催涙弾テロ」を敢行した。韓米自由貿易協定(FTA)の批准同意案の採決に反対して催涙ガスを撒いては「伊藤博文を撃った安重根(アン・ジュングン)の気持ちだった」と主張したが、「安重根義士崇慕会」から激しく非難された。金氏が、すでに補佐官たちに「監獄に入れられるかもしれない」と話していたほど、催涙ガス散布は民主主義をじゅうりんした明白な犯罪である。だが、国会では誰も訴えようとしなかった。結局、市民団体の告発で捜査に乗り出した検察は、8回にわたる出頭要求に応じなかった金氏を逮捕もせず、在宅起訴した。こうして有耶無耶になってから、同じ党によって再び水をぶっ掛ける事態が起きたのだ。

◆全羅南道議会は、アン議員を倫理特別委員会に付託し、懲戒の有無を決める計画だと明らかにした。統合進歩党・光州市部は、水をぶっかけたことには一切コメントしないまま、朴知事に対して「全羅道の人々の胸に大きな刃物を刺し込んだことに謝罪し、それに相応しい政治的責任を負うべきだ」と主張した。国会を翻弄した金氏は統合進歩党の院内首席副代表に栄転した。師匠に学んだ通りに振舞ったアン議員も、懲戒は有耶無耶となり、中央舞台で活躍できる目もあるだろうと見込んだのかもしれない。全羅南道議会は、わが国に民主主義と法治がちゃんと機能していることをアン議員に教えてあげて欲しい。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com