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[オピニオン]「植民宗主国」フランスの影

[オピニオン]「植民宗主国」フランスの影

Posted January. 19, 2013 02:59,   

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フランスのマリへの軍事介入の影響で、アルジェリアで人質事件が起こり、罪のない外国人が犠牲になった。複雑な国際関係のため、関係のない国の民間人が災難を被った。フランスとアルジェリアの根深い悪縁が不幸の発端だ。アルジェリアのイスラム武装勢力は、植民宗主国だったフランスに対して以前から拉致や爆弾テロを行ってきた。今回の人質事件を起こした「マスク旅団」はマリ反政府勢力を爆撃するようフランス戦闘機に領空を開放したアルジェリア政府を非難し、ガス田施設に乱入した。

◆1994年12月24日、アルジェリアの武装イスラム集団(GIA)のテロ犯4人がエアーフランスの旅客機をハイジャックした。犯人は、乗客と乗務員232人を人質にし、フランスに収監されている仲間の釈放を要求した。交渉に入ったフランス政府は、旅客機をマルセイユ空港に誘導した。2日後、フランスの国家憲兵隊治安介入部隊(GIGN)が旅客機に突入し、テロ犯を射殺して人質を救出した。17分間の作戦はテレビで生中継され、2010年に「フランス特殊部隊GIGN」で映画化された。世界的な成功事例に挙げられる完璧な人質救出作戦だったが、フランス人の心には、武装イスラム集団のテロに対する恐怖がトラウマ(精神的外傷)となった。

◆フランスは1830年から132年間、アルジェリアを支配した。アルジェリアは植民支配にかなりの敵対感を持っているが、フランス文化は積極的に受け入れている。フランスに居住する100万人以上の自国の労働者の送金がアルジェリアの重要な外貨収入源だ。フランス人の植民支配に対する反省もストレートだ。サルコジ前大統領は在任中の2007年、アルジェリアを訪れ、「フランスの植民支配は不当であり、自由、平等、博愛というフランス建国の理念にも反する」と謝罪した。オランド大統領も昨年、「不公正で野蛮な植民支配がアルジェリア国民を苦しめた」と謝罪した。しかし、あまりにも占領期間が長かったため、まだフランスを許していないアルジェリア人が多い。GIAと「マスク旅団」は、敵対感をテロで表現する代表的な過激武装勢力だ。

◆マリもフランスの植民地だったが1960年に独立した。フランスは、マリ政府の要請を受け入れて軍事介入を始めたが、アルジェリアの武装勢力まで関わり、状況が複雑になった。マリ反政府勢力は、「フランスが地獄のドアに入った」として決死の抗戦を誓っている。GIAは、エアーフランス機ハイジャック事件後、1995年にパリ市内で8度の爆弾テロを行い、フランス人を恐怖に震えさせた。「マスク旅団」のテロも一度で終わらない可能性が高い。オランド大統領は公然と蜂の巣に触れたが、後悔する日が来るかも知れない。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com