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リチャードソン前知事の「純真な訪朝」…北朝鮮に弄ばれた

リチャードソン前知事の「純真な訪朝」…北朝鮮に弄ばれた

Posted January. 12, 2013 06:43,   

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北朝鮮を訪問して帰ってきた米国のビル・リチャードソン前ニューメキシコ州知事は10日、北京空港で記者団に対し、「北朝鮮が南北、米朝関係の改善に強い希望を持っている」と説明した。検索最大手グーグル社のエリック・シュミット会長と訪朝したチャードソ前知事は、米国行きの飛行機に乗る前に時間を割いて訪朝の成果を説明しようとしたようだ。

しかし、リチャードソン前知事一行が平壌(ピョンヤン)に滞在した9日、北朝鮮のテレビでは、2009年5月の北朝鮮の2度目の核実験直後を素材にした映画『私が見た国』を放送した。映画で、北朝鮮の核実験に対して米国と日本が制裁すると言うと、金正日(キム・ジョンイル)総書記は、抽出したプルトニウム全量で核兵器を作ると対抗する。これに対して米国は、北朝鮮をなだめるためにリチャードソン前知事を特使として派遣する。

リチャードソン前知事は、昨年12月の「大陸間弾道ミサイル(ICBM)級」ミサイル「銀河3号」の発射と韓国系米国人ペ氏の抑留で膠着状態にある北朝鮮問題の解決の糸口を見いだすために訪朝したと述べた。

しかし、北朝鮮がリチャードソン前知事の訪問期間に住民に『私が見た国』を放映した下心は何か。北朝鮮住民にとって、リチャードソン前知事は北朝鮮の核開発や長距離ミサイルのテストに対して警告や忠告をしに来た人ではない。リチャードソン前知事が「フリーランサー」外交を掲げたように米政府と関係がないわけでもない。かえって映画の中のように、昨年の銀河3号の発射で怯えた米政府が北朝鮮をなだめるために来たのだ。

北朝鮮当局は、金正恩(キム・ジョンウン)時代にも依然として代を継いで北朝鮮が世界舞台の中心に立っているということを住民に注入させるためにリチャードソン前知事一行を活用したのだ。平壌にいる時はもとより、そのような映画が上映されていることを知らないリチャードソン前知事一行がこの事実を後で知ってどう思うだろうか。

米ニューヨークタイムズは10日、「北朝鮮訪問団が明らかにした『人道的任務』は、結局北朝鮮の宣伝術に利用される純真な行動と見られている」と批判した。米国務省も2人の訪朝に対して、「彼らは民間人として訪問し、政府は関与しなかった。時期が不適切だったという立場に変わりはない」と明らかにした。

北朝鮮を訪れる多くの政治家や学者は、北朝鮮を変化させる役割という大義名分と気概を示す。北朝鮮を訪問した後は、忙しい日程のなか自分たちの成果を説明する。しかし、北朝鮮は全く違う意図であることが確認されたのは、今回だけではない。にもかかわらず、まるで「灯蛾のような訪朝」は今も続いている。

韓国の一部の人は、何とか一度平壌に行って、自分の価値を高めたいと思っている。リチャードソン前知事一行が見せた惨めな訪朝結果を反面教師にしなければならない。