Go to contents

[オピニオン]株とテレビ

Posted January. 11, 2013 06:17,   

한국어

株式市場ではありとあらゆる情報が飛び交っている。真偽のわからないうわさによって株価が乱高下し、投資家らは一喜一憂する。大口の機関投資家らより情報力の遅れる個人投資家らは、常に情報に渇きを覚えている。株式市場は得をする人がいれば、必ず損をする人が存在する。ゼロサムゲームが支配する冷酷なジャングルだ。

◆1990年代後半、株の情報と関連し、マスコミ業界が大騒ぎとなって出来事があった。ある日刊新聞の記者が新技術を開発したという企業記事を書きたてながら、該当株をあらかじめ買い付けたのだ。新技術開発という好材料を受け、株価が短時間で高騰し、この銘柄は証券監督院(今の金融監督院)の監視網に引っかかった。その記者は拘束を余儀なくされた。株価に影響を及ぼすニュースを手にした記者が、新聞記事が出る前に株を買った行為は違法だ。ネットを通じて情報が活発に流されている今は、新聞に出ている情報を見て株を買えば、「出遅れ」といわれるが、インターネットの無かった当時は、新聞記事で株価が乱高下するケースが多かった。

◆最近も、証券会社のアナリストらが銘柄推薦報告書を出せば、一般投資家らに配る前に、機関投資家らに先に報告書の内容を知らせるケースが少なくない。現場の証券会社の店頭で、個人投資家らが報告書を手にする瞬間、機関投資家らはすでに有望な銘柄の株を買い付けている。株の売買営業を行う証券会社としては、大量売買を行う大口客からよい反応を引き出すことができ、個人投資家らが詰め掛ければ、株価が上昇するため、一石二鳥だ。米国などの先進諸国では、時間の差をおいて銘柄推薦報告書を配った事実が明らかになれば、厳しく罰している。

◆テレビの証券番組に出演する株式専門家のチョン某氏(34)は、(株)アンラボを買うべき銘柄として勧める前に、計7万6074株(30億9499万ウォン相当)を買い付け、計23億1279万ウォンの利ざやを手にした容疑で、検察によって拘束された。あらかじめ株を買い付けてから、個人投資家らが多く視聴するテレビに出て、この株を買いなさいと勧めた後、株価が上昇すると売却したのだ。チョン氏は、株価を吊り上げてほしいという専業投資家からの要請を受け、「花代(謝礼金)」まで手にしたという。これまで証券街では、証券放送に出てくる専門家らが、「先行売買」で不当な利益を手にしているといううわさが後を絶たなかった。今回の検察捜査で、事実と確認されたことになる。検察はこれらの不法行為を処罰する規定が、現行の資本市場法に無く、「包括的詐欺」容疑を適用することにした。その場合、裁判の過程で厳しく処罰することは難しくなりかねない。資本市場を監督する金融委員会は、法網のずさんさが明らかになった以上、制度整備に乗り出さなければならない。汝矣島(ヨイド)証券街では、これらの黒いコネクションを、今回を機に根絶させるべきだという声が高まっている。