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[オピニオン]成功した退任大統領

Posted January. 10, 2013 03:03,   

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米国のニクソン元大統領には、「任期中に辞任(1974年8月)した唯一の大統領」という汚名がついてまわる。ウォーターゲート事件に対する責任を負って下院が弾劾を決議し、上院が弾劾を承認すると、ニクソン大統領は自ら辞任を選んだ。後任のフォード大統領の恩赦決定で、何とか刑務所行きは免れた。しかし、任期中の最大の業績だった米中国交正常化(1972年)で交渉の相手だった毛沢東、頳小平の助けを借りて復活する。1970年代後半、ニクソン元大統領は中東を含む第3世界、旧ソ連を始めとする共産圏を歴訪し、国益守護の伝令を自任した。9日、ニクソン元大統領誕生100周年を迎え、米国全域でスポットライトが当てられている。

◆権力の座から退いた後、脚光を浴びる代表的なケースが、カーター元大統領だ。カーター元大統領は、再選には失敗したが、大統領退任後に設立したカーターセンターを求心点に幅広く活動した。1994年に北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席と会談し、米朝枠組み条約の合意を引き出したほか、様々な国際紛争でフィクサーの役割を果たした。今でも、全世界の大統領や首相を歴任した人々の会「エルダーズ(The Elders)」を実質的に率いている。46才で大統領になったクリントン元大統領も、退任後にクリントン財団を設立し、世界の紛争の仲裁役を果たしている。同財団の説明によると、世界180ヵ国4億人の暮らしを良くしたというのだから、「世界最強」の米国の大統領でもできないことをしているわけだ。

◆人種差別政策「アパルトヘイト」の廃止で功績を立てた南アフリカ共和国のマンデラ元大統領は、存在そのものが世界平和に貢献したという評価を受けている。1999年に大統領を退任して発足した「マンデラ・メモリーセンター」には、多くの非政府組織(NGO)がより良い世の中を作るという目標の下に集まっている。国連は、マンデラ元大統領の誕生日である7月18日を「マンデラ・デー(day)」とし、少なくとも67分間、ボランティア活動に参加することを呼びかけている。「67」という数字は、マンデラ元大統領が民主化運動に身を捧げてから大統領を退任するまでの67年間を意味する。その精神は、死後も人類が賛える無形の遺産になるだろう。

◆2月25日に退任する李明博(イ・ミョンバク)大統領が来年初めに、「MB財団」(仮称)を設立するという。任期中に力を入れたグリーン成長などの成果を発展させ、退任後、前職大統領として社会に貢献する方法を探しているのだ。建国の大統領、李承晩(イ・スンマン)から盧武鉉(ノ・ムヒョン)まで、韓国の大統領は退任後、苦々しい末路を歩んだ。MB財団が、「退任大統領=不幸な大統領」という公式を破る契機になってほしい。韓国の大統領が退任後の活動でより大きな拍手を受けることができないということはない。

ハ・テウォン論説委員 triplets@donga.com