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「数珠繋ぎの車に、私の人生の1年半が壊れた」

「数珠繋ぎの車に、私の人生の1年半が壊れた」

Posted January. 05, 2013 04:21,   

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4日午後、大田市中区大寺洞宝文山(テジョンシ・チュング・デサドン・ポムンサン)の交差点は、信号が変わるたびに、「数珠繋ぎ」が後を絶たなかった。黄色い信号にも次々と交差点に進入し、次の信号を受けてスタートする車と入り乱れてしまう。このような数珠繋ぎは、ドライバーの神経ばかり逆らうものではない。

チェ・ジョンスクさん(45・女=大田西区屯山洞)はここで、数珠繋ぎの車と接触事故を起こした。確かに青信号を見てからスタートしたが、右側の道路から現れた車とぶつかったのだ。当然、自分は被害者であり、数珠繋ぎの車のほうが加害者だという結論が出るだろうと思っていたが、まったく逆の調査結果が出たため、1年6ヵ月間、裁判を起こさなければならなかった。

数珠繋ぎなどの問題点を指摘した2日付けの東亜(トンア)日報の「エンジンを切りなさい、反則運転」の1回目の記事を目にし、チェさんが電話をかけてきた。

「記事を読んで、胸がすっきりしました。数珠つなぎのため、私がどれだけ苦しんだか、世間に伝えてください。私のような被害は一人、二人じゃないはずです」。

チェさんは11年5月10日午後7時25分ごろ、宝文山交差点で、左折信号を受け、テミ峠方面に向かおうと交差点に進入した。青信号を受けた直後であり、時速20キロぐらいのはずだった。その瞬間、「どかん」という音がした。気を取り戻して目を開けると、予期すらしなかった車にぶつかり、自分の乗用車が止まっていた。右側の錦山(キムサン)方面から左折し、同様にテミ峠方面に向かおうと交差点に進入した車だった。黄信号にも止まらず、かえってスピードを出して交差点に進入する典型的な数珠繋ぎ流の信号違反だった。

あちこちからクラクションが鳴り、交差点は車でめちゃくちゃになった。相手の乗用車は、運転席の後部ドアが壊れ、チェさんのソレント車両も、前のバンバーが壊れた。チェさんは、あまり気にしなかった。車の修理は、保険で処理すれば済むことだし、相手の車が信号違反しているので、法で処理すれば済むことだった。

しかし、警察は数珠繋ぎの車ではなく、チェさんのほうが加害者だと結論を下した。相手のほうでは信号を違反しなかったという目撃者の証言があるという理由からだった。チェさんは事故当時、中学生の息子を後部座席に乗せていた。

「普段から息子に、信号灯の遵守など、法律を守るよう強調してきたが、当の母親が信号違反で交通事故を起こしたことになったでしょう。子供の前で法を違反した母親という濡れ衣は着せられたくなかったんです」。

交差点には、警察や行政機関が取り付けた防犯カメラ(CCTV)もなかった。チェさんは、自分の潔白を裏付けるため、生業のスーパーもなおざりにし、駆けずり回った。ようやく、事故現場周辺の店のCCTVの録画内容を手に入れた。しかし、識別が難しいことを理由に、証拠に採用されず、結局、交通事故処理特例法違反で略式起訴された。罰金30点に150万ウォンの罰金が科せられた。「目撃者を探します」という垂れ幕を3度も掲げてみたが、なんら役に立たなかった。

検察による取り調べの過程で、相手車両の運転手への嘘発見器による調査を要請したが、断られた。そんな時、周辺のスーパーのCCTVから決定的な内容を確保した。チェさんの右側道路から、最初の交差点に進入した車と、事故車が進入するときまでの時間は、27秒ぐらいだった。青信号は22秒間続き、黄信号は3秒間灯るため、事故を起こした車は、赤に変わる時点に交差点に進入し、事故を起こしたという推論ができる。しかし、画面がはっきりしておらず、正確な判断ができないことを理由に、受け入れられなかった。

結局、チェさんは6ヵ月後の昨年10月、正式に裁判を起こした。裁判は1年1ヵ月間も続いた。計8度の裁判が行われ、チェさんが用意した関連書類だけでも、ラーメンボックス一箱分を埋め尽くした。

昨年11月23日、大田地裁。単なる交通事故の事件だったが、異例に、現場検証まで行った大田地裁のイ・ジヨン判事は、10枚分の判決文を読み上げた。「被告に対し無罪を言い渡す」。チェさんは自分も知らないうちに、涙を流した。

「たいしたことでもないのにややこしくさせるという周りの人たちの話を耳にするたびに、心が痛かったんです。たとえ、単なる数珠繋ぎや信号違反による交通事故だが、一人の人生の1年半を踏みにじってしまいました。捜査機関が厳しく取調べを行い、きちんと処罰してこそ、間違った運転習慣が変わると思います」。



doyoce@donga.com