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「現金を確保せよ」 社屋を売却する企業各社

「現金を確保せよ」 社屋を売却する企業各社

Posted January. 05, 2013 04:21,   

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昨年11月6日、SKテレコムの空気は暗かった。半分に減った第3四半期(7〜9月)の営業利益を投資家らに知らせなければならなかったからだ。同日、安承潤(アン・スンユン)経営支援室長は、「南山(ナムサン)グリーンビルや長安(チャンアン)社屋、九老(クロ)社屋の3ヵ所の売却を推進している」とあきらかにした。SKテレコムが、ポスコの持分を4400億ウォンで売りさばいてからわずか1ヵ月後に、社屋売却に乗り出すと、「構造調整」という見方が出ている。3つの社屋は昨年12月、約3000億ウォンで国民年金などに引き渡された。

景気低迷が長引き、資金源が無くなった企業各社が、会社ビルを売って、現金確保に乗り出している。財務構造の改善に乗り出している大手企業から、経営難に苦しんでいる建設会社・金融会社に至るまで次々と、会社ビルを売って現金に換えている。財界のこのような傾向は、今年も続くものと見られる。

●会社ビルを売って、現金を確保

大手企業各社の会社ビル売却は、昨年下半期(7〜12月)から目立っている。現代(ヒョンデ)グループは12年7月、ソウル鍾路区蓮池洞(チョンノグ・ヨンジドン)の本社社屋を、計2262億ウォンで売却した。続いて、CJグループは、京畿道城南市盆唐区(キョンギ・ソンナムシ・ブンダング)のCJE&Mビルや仁川松島(インチョン・ソンド)のCJシステムズITセンター、慶南梁山市(キョンナム・ヤンサンシ)の小麦粉工場などを売却し、計1500億ウォンを確保した。

東洋(トンヤン)証券のイ・チョルヒ首席エコノミストは、「昨年下半期に三星グループを皮切りに、企業各社が非常経営体制に突入し、社屋売却が本格化している」とし、「危機の際は、流動性確保が最も重要であり、これまで値上がりした商業用不動産から先に売却している」と分析した。

危機に陥っている中小建設会社や貯蓄銀行も、社屋を売却し、「急場」を凌いでいる。トンイル、シンイル建業、テヤン総建やトマト貯蓄銀行、ハンシン貯蓄銀行が昨年、会社ビルを売却した。

企業再生の手続き(旧法定管理)に入った豊林(プンリム)産業は、ソウル江南区驛三洞(カンナムグ・ヨクサムドン)の本社ビルの売却に乗り出しており、企業改善作業(ワークアウト)を行っている三換(サムファン)カミュも、1月末、ソウル汝矣島(ヨイド)の社屋を売却する計画だ。教保(キョボ)リアルコのイム・ホンソン投資諮問チーム長は、「今年は景気回復が不透明であり、全ての業種にわたって、社屋売却が行われかねない」と主張した。

●「社屋を売却すれば企業競争力が改善」

このように売りに出された社屋は、低金利のせいで投資対象を見つけるのに困難を感じている年金基金などの大口客のものになっている。売却物件の多くが不動産ファンドやリートに売却され、さらに年金基金や共済会などが加わっている。

投資誘致に向け、企業各社が「セールズアンドリースバック」(売却後再度賃貸)条件で社屋を売却することも目立っている。企業が売却した社屋を借りてそのまま使うやり方であり、投資家の賃貸収益率を保障することができる。

国民年金・代替投資チームのキム・ギボン先任運用役は、「ショッピングモールなどのビルに比べ、社屋は、企業の格付けや賃貸が保障される。投資の多角化のレベルで、社屋投資を拡大させている」と話した。

専門家らは、社屋売却は企業の競争力強化に役立つと分析している。不要な固定資産を整理し、流動性を確保して主力事業に投資できるからだ。

三星経済研究所の金成杓(キム・ソンピョ)首席研究員は、「本業関連資産を売却すれば、未来成長に害を及ぼしかねないが、社屋売却は違う」とし、「資産構造だけでなく、事業の有効性も高めることができる」と主張した。

一方、公正取引委員会は、持分売却や買収合併など、大手企業の規模縮小が相次ぎ、昨年12月末現在の財閥企業の系列会社は1791社であり、半年間で60社が減少したと、4日明らかにした。



imsoo@donga.com