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韓国は「FTAスーパー甲」…選択−集中戦略で

韓国は「FTAスーパー甲」…選択−集中戦略で

Posted January. 04, 2013 05:26,   

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「韓国政府はカナダとの自由貿易協定(FTA)に関心がなくなったのか」

レン・エドワーズ前駐韓カナダ大使は昨年11月26日、自国のオンラインメディア「iPOLITICS」に、韓国とカナダのFTA交渉と関連してこのような内容の寄稿文を載せた。エドワーズ前大使は、「展望が相反する韓国、日本との貿易交渉」と題した寄稿文で、「韓国はFTA交渉に積極的に臨まなければならない」と主張した。一見、韓国の消極的な交渉態度を批判した内容だが、実は韓国に対するFTA「求愛」の性格が強いと見られている。

カナダ外交通商部次官を務めたエドワーズ前大使は、この文で、「日本との経済パートナーシップ協定(EPA)は順調に進んでいるが、2005年に交渉が開始した韓国とのFTAは、カナダの自動車市場の開放、韓国の農産物市場の開放の問題で座礁した」と強調した。

●通商の「甲」になった韓国

米国、欧州連合(EU)、東南アジア諸国連合(ASEAN)など世界45ヵ国とすでにFTAを発効させ、韓中日FTA、域内包括的経済パートナー協定(RCEP)など、多国間FTAまで活発に推進している韓国に対する世界各国の「ラブコール」が相次いでいる。

FTAと関連して韓国に求愛している国に、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、イスラエルなどがいる。これらの国の通商当局者と駐韓大使は、ことあるごとにメディアを通じて、「韓国は交渉に積極的に臨まなければならない」と呼びかけている。カナダ、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランドとのFTA交渉は、自動車市場の開放、農産物輸入問題などで現在中断した状態だ。イスラエルとはまだ交渉を始めていない。国内の通商専門家は、エドワーズ前大使の寄稿文も同じ脈絡だと見ている。

専門家たちは、「銃声のない戦場」と呼ばれるほど熾烈な通商で、高まった韓国の地位がこのような状況を演出したと説明する。韓国が世界的な景気低迷の中でもFTA効果を享受し、貿易を拡大していることから、相手国家が焦っているのだ。韓国が構築した「FTAネットワーク」に急いで進入することが自国経済に有利だと判断している。

韓国政府の通商担当者の地位も共に高まった。「乙」の姿勢で先進国を追いかけ、FTA交渉をせがんだ以前とは様変わりした風景だ。どの国と先に交渉するのか、どの国は後回しにするのか、戦略的な選択ができる地位になったのだ。

韓国のFTA効果は経済指標でも確認される。3日、知識経済部(知経部)によると、昨年韓国に入ってきた外国直接投資(FDI)の申告金額は162億6000万ドル(約17兆2953億ウォン)で前年より18.9%も増加し、史上最高値だった。申告金額のうち実際に入ってきた投資金も103億7600万ドルと前年より57.8%増え、2000年以降最も多かった。

知経部当局者は、「昨年の外国直接投資による雇用創出効果は、今後3年間で約10万に達すると予測される」とし、「米国、EUとのFTA発効の効果、国家信用格付けの上方修正などで韓国経済に対する信頼度が高まったことが外国人の投資に影響を及ぼした」と分析した。

●経済論理に忠実でなければ

専門家たちは、韓国がFTA交渉の主導権を握った現在の状況を最大限活用し、今後行われるFTA交渉で徹底的に実利を追求すべきだと強調した。

仁荷(インハ)大学の鄭仁教(チョン・インギョ)教授(経済学)は、「今やFTAと関連して韓国に負い目はない」とし、「相手に特典を与えたり急ぐことなく、徹底して経済論理で考え、できるだけ多く得る方向で交渉を行わなければならない」と指摘した。

現在、韓国に求愛する国々と2国間FTAを進展させながら、中国とのFTAをはじめ韓中日、RCEPなど韓国にとって重要なFTAにエネルギーを集中する「選択と集中の戦略」が必要だという指摘もある。LG経済研究院のキム・ヒョンジュ研究委員は、「2国間FTAが多く締結されると、企業としては国ごとに異なる原産地証明のために、かえって輸出が不便になる恐れがある」とし、「FTA締結国家を増やすよりも、既に締結されたFTAの開放水準など、『質』を引き上げ、多国間FTAといった新しい形式のFTAを拡大することが重要だ」と強調した。



ryu@donga.com