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[オピニオン]乾杯音頭のストレス

Posted December. 25, 2012 04:23,   

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口数の少ない人ほど、さまざまな会合が集中している年末が怖い。そういう人にとって、爆弾酒より怖いのが、大勢の前で、大声で叫ばなければならない「乾杯の音頭」の順番が回ってくることだ。「乾杯」や「〜のために」云々すれば、その場の空気が盛り下がり、センスのない人扱いを受けかねないからだ。「乾杯の音頭をめぐるストレス」が激しく、サラリーマンらが会社の飲み会で一番嫌いなことは、「隠し芸自慢と乾杯の音頭だ」というアンケートの結果まである。

◆乾杯は、飲み会でお互い杯を上げてお祝いしたり、健康や幸運を祈る万国共通の慣習だ。米国や英国では「チアーズ(cheers)」や「トースト(toast)」、ドイツは、「プロスト(prost)」、フランスは「サンテ(sant‘e)」、イタリアは、「サリュー(salut)」と叫ぶ。個人より共同体を重視する韓国文化では、乾杯の音頭は、単なる相手の幸福を祈る挨拶のレベルを超えている。会合の同質感や結束を固める掛け声や世間を風刺する社会的意味合いがこめられているケースが多い。

◆ビール会社のハイツ真露(チンロ)が、今年の忘年会での乾杯の音頭について調査した結果、「ノナジャルヘ(あなたと私によい新年になることを願って)」がトップだったという。上位圏に、「ビョンサト(変わらぬ愛を持って再び会おう)」、「オバマ(ひたすら願うとおりに、希望がかないますように)」、「トントントン(意思疎通、開運、万事意のまま)」、「スマイル(かすれても、触れ合っても、わざとでも笑おう)などの、三行の詩型の乾杯音頭が、今年も人気を集めた。乾杯の音頭も進化している。「ブランドバック(名誉退職に気をつけ、品位維持、失業者防止)」のように世相を反映したり、アフリカ・スワヒリ語の「ハクナマタタ(大丈夫、気にしないで)」などのグローバル感覚を生かした乾杯の音頭も登場した。

◆会合で目立ちたいがために、「ソンヘンイ(成功と幸せのために)」などと叫べば嫌われてしまうだろうし、セクハラまがいの三行詩を乱発すれば、大恥をかくことになる。ある公共機関の幹部は、離散家族面会の記者懇談会で、「オバマ(お兄さん、見てばかりいないで勝手にしてね)」という乾杯の音頭を叫び、うわさになった。コミュニケーションの専門家らは、「KISS(Keep It Simple and Short=単純かつ短めに話す」原則を強調している。イベントの性格に合わせて、自分の考えを盛り込んで、30〜1分間を超えないように、自分だけの乾杯の音頭を用意すべきだという。それでも自信がなければ、スマートフォンの乾杯音頭アプリでもダウンロードするのも、いい方法だ。

朴湧(パク・ヨン)論説委員 parky@donga.com