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新気候変動体制は「銃声なき戦争」

Posted December. 14, 2012 08:27,   

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4日、カタール・ドーハ。第18回国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)締約国総会(COP18)が開かれる会場に、ナウル共和国の代表であるキエレン・ケケ外交長官が現れた。氏は、各国の代表団に向け、「低地にある太平洋の珊瑚島が徐々に消えている。いまや住民たちの行き場が残り少なくなっている」と訴えた。

ナウルは、面積が21平方キロメートル(約635万坪)で、世界で最も小さな独立共和国の一つだ。1万人あまりの人口の大半が、海沿いに住んでおり、海面が最も高い地点はわずか60メートル前後だ。海面の上昇が続くことになれば、国全体が地球から消えかねない。ナウルと同じ立場の国々40数ヵ国が集まった小島嶼国連合(AOSIS)は、今回の総会で声を一つにして、地球温暖化に向けた対策作りを促した。そして、総会閉幕が28時間近くも延ばされる激しい攻防の末、今年末で期限切れとなる京都議定書の効力を、8年間延長する改正案が採択された。

●京都議定書の事実上息切れ

今回の総会を通じて、京都議定書の効力は延長されたが、事実上、「主要先進諸国は1990年比平均5.2%の温室効果ガスを削減する」という内容の京都議定書はすでに、息切れているというのが、各国の共通意見だ。

1回目の公約期間から、中国やインドを始め、韓国など、温室効果ガス排出量の多い国々はすべて、対象から外された。米国は発展途上国の欠席を理由に、議定書を批准すらしていない。結局、カナダまでが脱退し、日本やロシア、カナダ、ニュージーランドはこれ以上、削減義務に参加しないことを決めた。20年までに温室効果ガスの追加削減に参加する国々は、欧州連合(EU)やオーストラリア、スイス、ウクライナなど。これらの国々の排出量は、世界の15%に過ぎない。

各国の視線は、20年以降に発効される新しい気候変動枠組みに集まっている。新たな気候変動枠組みでは、先進国と途上国とを問わず、全ての国が温室効果ガスの義務削減対象に含まれる。最も進んでいる国は、英国やドイツなどが主導するEU加盟の国々だ。英国は法律で、50年までに温室効果ガスの排出量を1990年比80%削減することを明文化した。25年までは50%を削減する。英国の今年の削減目標は15%と、難なく目標を達成するものと見られる。ドイツは京都議定書とは関係なく、10年単位の中長期的削減目標を立てている。20年までに40%、30年までに55%、40年までに80〜95%を削減する計画だ。

EU諸国が、温室効果ガス削減に我先に乗り出している理由は、気候変動による被害が最も大きいからだ。さらに、グリーン産業という新しい成長エンジンの主導権を握ろうという狙いもある。韓国の経済5団体と似ている英国産業連盟(CBI)が景気低迷にも関わらず、「グリーン産業がうまく進んでこそ、成長もある」というのが、積極的にグリーン政策を支持している理由でもある。

●韓国、「アジアの希望」になるか?

アル・ゴア元米副大統領は5月初め、自分のツイッターに、「韓国が歴史的な気候変動関連法を可決させた(South Korea pases historic climate legislation)」という呟きを残した。「温室効果ガス排出権の取引や割り当てに関する法律案」が国会で可決された直後のことだった。

これは企業別排出許容量を定めた後、これより多く排出すれば、超過分だけ排出権を購入し、逆により少なく排出すれば、減らした分だけ排出権を売る制度だ。現在、EUやオーストラリア、ニュージーランドぐらいが、国のレベルで排出権取引制を運営している。

これに先立って韓国は09年12月、「20年までに温室効果ガスの排出量を30%削減する」という目標を立てている。義務削減国ではないが、自主的に削減案をまとめた。中国やインド、日本などが消極的な姿勢を見せている中、国際社会では、「気候変動と関連し、アジアでは韓国しかない」という評価が出ている。しかし、道程はまだ遠いという指摘もある。韓国の温室効果ガス排出量は、伸び幅は減速しているが、量は増え続けている。



starsky@donga.com