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51州の勝者を100%適中、 米大統領選の予測専門家が話題

51州の勝者を100%適中、 米大統領選の予測専門家が話題

Posted November. 09, 2012 07:57,   

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「変わり者(Nerd)」の勝利

「今年の米大統領選挙の勝者を正確に予測し「神の適中力」と称賛されている選挙予測専門家のネイト・シルバー氏(34)が、大統領選後、最高のスターになった。

ニューヨーク・タイムズのウェブサイトに、「538(米大統領選選挙人団数)」という大統領選統計分析ブログを運営するシルバー氏は、激戦州を含む51州(ワシントンDC含む)でオバマ大統領とミット・ロムニー共和党候補のどちらが勝利するかを当てただけでなく、得票率の差までほぼ正確に予測した。多くの世論調査機関がフロリダ州でロムニー氏の勝利を予想した時も、シルバー氏は、オバマ氏が0.5ポイント程で勝つと予想した。実際に、開票の結果、オバマ氏がロムニー氏を0.6ポイント差で退けた。

シルバー氏の「神通力」は、選挙人団の予測で際立った。世論調査機関は、オバマ氏が選挙人団確保で勝つと予想はしたが、280〜285人で300人は越えないとした。しかし、シルバー氏は、大胆に313人と予測し、「まともなのか」「オバマのスポークスマンか」と皮肉られることもあった。オバマ氏は303人を確保し、シルバー氏の正確さを立証した。

シルバー氏は、オバマ氏が10月初めの大統領選テレビ討論で振るわず、ロムニー氏に支持率を逆転された時も、屈することなく「オバマ勝率85%」という統計を出し、周囲を驚かせた。シルバー氏は、2008年の大統領選挙の時も、50州のうちインディアナ州を除く49州で勝者を予測し、上院議員当選者35人も当て、名を上げた。

厚い眼鏡をかけ、コンピュータの前から離れない「ガリ勉」「変わり者」と呼ばれるシルバー氏は、「回答を左右するすべての変数を含めなければ、客観的な統計結果を得ることはできない」と主張し、高難度分析の統計方式を利用している。

シルバー氏は、直接世論調査をするのではなく、多くの世論調査の結果を合算し、平均値を出す方式を使う。世論調査機関の政治的偏向性によって回答者の反応が変わる考え、「ハウス効果」と呼ばれる調査者の政治的指向を数値化し、これを除去する技法も活用する。「多くの世論調査機関は保守寄りなので、この変数を除去すれば、オバマ氏が勝利する可能性が非常に高まる」ということだ。シルバー氏は、世界最大の世論調査機関のギャラップを「ロムニー氏に偏向的」と攻撃し、舌戦を繰り広げた。州別経済指標と人口学的変化の推移も、世論調査の結果に含める独自の複雑な統計方式を利用している。

シルバー氏の適中力が立証されたことで、先月出版された著書『信号と雑音』は大統領選挙翌日の7日、オンライン書店アマゾンで販売が850%急騰する驚異的な記録を打ち立てた。著書は現在、アマゾンで「3周」という児童書籍に続き、販売実績2位に上がっている。

シルバー氏のおかげで、ニューヨーク・タイムズも大反響だ。シルバー氏のブログにアクセスするために同紙のサイトにアクセスする人が増えたためだ。今年初めまでは、同紙へのアクセス数の1%だけがシルバー氏のブログにアクセスしたが、選挙直前5日には同紙のアクセス数の5人に1人がシルバー氏のブログによって、同紙にアクセスしたことが調査でわかった。また、先月、同紙のウェブサイトで「538」は8番目に多い検索語となった。

2000年にシカゴ大学経済学科を卒業したシルバー氏は、KPMGでコンサルタントとして働いたが、趣味の野球の勝率予測プログラムを作り、オンライン野球サイトに売って大金を得た。賭博によって自分の素質を発見したシルバー氏は、オンラインのポーカープレーヤーになったが、議会がオンライン賭博規制を強化したため損失を負うことになった。復讐心から政治家の選挙勝率を予測するシステムを開発したシルバー氏は、個人的に「538」ブログを運営したが、シルバー氏の将来性を見抜いた同紙が2010年、ブログを自社のウェブサイト内に開設した。

一方、米国の3大ケーブルテレビ局は、大統領選挙の勝者予測発表の報道で悲喜が交錯した。米国の放送局は、自社の統計分析システムをもとに勝者を早期に予測し、どこよりも先に発表することに死活をかける。

オバマ氏再選確実を最も早く発表したのは、オバマ氏寄りのMSNBC。6日午後11時10分、「第44代大統領オバマ」という字幕を送り、勝者を伝えた。5分後、中立的なCNNが発表し、保守寄りのフォックス・ニュースは最も遅い17分に発表した。

米国の大統領選挙の結果が最終的に判明する前に締め切り時間となった欧州のメディアは、奇抜なアイディアを使った。ベルギーの日刊紙「ヘット・ラーツテ・ニウス」は、オバマ氏とロムニー氏の当選に関する1面トップ記事を2枚のカバーで読者に伝えた。日刊紙「ル・ソワール」は1面に掲載したオバマ氏の写真の下に「オバマ氏が負けた場合は2面に」「勝った場合は3面に」という言葉を添え、ウィットを利かせた。



mickey@donga.com