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愛に飢えた子供たち、分かち合いで愛を学ぶ

愛に飢えた子供たち、分かち合いで愛を学ぶ

Posted November. 01, 2012 09:37,   

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「カップラーメンや飲み物=6000ウォン、カラオケ=2000ウォン、リップクリーム=5000ウォン、学用品=2000ウォン、へそくり=5000ウォン」

いくら頭を絞って1ヶ月間のお小遣い計画を立てても、どうしようもない。17歳のユン・ハンソルさんは、クリーム購入計画を、来月に遅らせた。高校生のユンさんが、京畿道利川市(キョンギド・イチョンシ)の児童福祉施設「ソンエウォン」で暮らしながら受け取るお小遣いは、月2万ウォン。おしゃれしたい盛りの上、食べたいものも多い女子高生には少々足りない金額だ。

ところがユンさんは31日、「使わなければならないところがある」として、へそくりのうちの2000ウォンを取り出した。小学生のイ・ジンウ君(12)も、貯金箱をはたいて500ウォンを出した。今月分の小遣いの10%だ。このようにソンエウォンの子供たち45人が、院長室に預けた金は計3万5000ウォン。義兄弟関係を結んだインド・スラム街のジョスナ・ジョセ(9・女)に送る金だ。子供たちが、顔すら知らない第3世界の子供の守り神になることを決心したきっかけは、3年前にさかのぼる。

ソンエウォンでは、親の世話を受けられない18歳以下の子供たちが暮らしている。ユンさんは、両親の顔すらわからない。一時的な保護施設に握らせられたお菓子一袋を手にし、3歳のときここにきたのが、朧気な初記憶だ。数年前に両親が離婚し、ソンエウォンに預けられたパク・ウォンソンさん(16)は、友達から誕生日を尋ねられても、適当にごまかしてきた。パーティーを開いてくれる両親が、そばにいなかったためだ。友人の家に遊びに行き、家族の仲むつまじい姿を目にした日などは、喪失感を心の中で噛締めなければならなかった。子供たちの母親の役割を果たしているシン・ギョンリム院長(56)の悩みは深まるばかりだった。子供たちが、「私こそがこの世の中で一番哀れで貧しい」という考えの虜になるのが心配だった。

ところがある日子供たちは、たびたびソンエウォンを訪れ、ボランティア活動をしている歌手・ション(本名=ノ・スンファン、40)とタレントのチョン・へヨン(39)夫婦から、貧困のために学校にすら通えない第3世界の子供らの話を聞いた。

「われわれも誰かを手助けすることができる」という画期的な考えを持つことになり、子供らはうき立った。09年12月会議を開き、寄付を決定した。お小遣いの減ることに度惑いもあったが、結果は満場一致だった。その翌日、子供らはシン院長に、封筒を差し出した。くしゃくしゃの1000ウォン札15枚に、100ウォンのコイン7枚。

その金は、国際子供養育機構「コンパッション」を通じて、ジョスナに渡された。最初は、後援金500ウォンも出し惜しんでいた何人かの子は、ジョスナから下手な字の感謝の手紙を受け取り、気を取り直した。買い食いに使った金が、ジョスナには授業料であり、予防接種費用であることに驚きを感じた。少ないと思っていたお小遣いを、かえって大事に使う効果も出てきた。ソンエウォンの子供たちは、毎月の後援金3万5000ウォンを、一度も欠かしたことがない。

その後、子供たちの日常にも小さな奇跡が起きた。ユンさんは、障害者保護施設でボランティア活動をするのが習慣となった。かつては、ボランティア活動のポイント稼ぎのために、形ばかりに訪れたところだった。年明けのユンノリ(日本の双六に当たる伝統的遊び)大会での優勝賞金10万ウォンで、トッポッキの食材を買って、障害者保護施設を訪れ、料理の腕を振るった。ユンさんは、「100点満点の成績表を受け取ったときより、気持ちよかった」と話した。

高校生のソン・ソンミン(仮名、16)君は先月、秋夕(チュソク、陰暦8月15日の節句 )連休中、バングラデシュ貧困層の子供らに直接会う機会を手にした。1日1食をかろうじて食べながらも、笑みの絶えない地元の子供たちの姿は、ソン君の心を揺るがした。

「持つ物がなくても、心は貧しくない『心の金持ち』になりたいと思います」。分かち合いを通じて世界を愛する方法を学んだソンエウォンの子供たちの言葉だ。コンパッションのコールセンター(02-740-1000)やホームページ(www.compassion.or.kr)を通じて、ソンエウォンの子供たちの分かち合いの活動に参加できる。



becom@donga.com