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[オピニオン]陶磁器の饗宴

Posted October. 30, 2012 07:42,   

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陶磁器は英語で「チャイナ」という。欧州の王室に贈り物として伝えられた中国の陶磁器がどれほど人々を魅了したのか、その名前がつけられたことからもうかがえる。漆器は「ジャパン」という。日本の漆器が西洋に流れ、固有名詞になった。欧州の人々が高麗青磁を知っていたなら、今頃陶磁器を「コリア」と呼んでいたかも知れない。流麗な造形美、秋空のような翡色(ひしょく)、独特の象嵌の高麗磁器ならその資格は十分だが、韓国は陶磁器を内需用だけに作り、世界に知られなかった。

◆宋の太平老人が書いたという「袖中錦」には、「高麗翡色が天下第一」という内容がある。高麗は宋を模倣して磁器を作り始めたが、宋の青磁を抜いて、高麗青磁が天下第一になったという意味だ。1123年に高麗に来た宋の使節、徐兢は、「宣和奉使高麗図経」で、「陶器の青い光を高麗人は翡色だと言う」と記録した。翡色の「翡」は本来「カワセミ」だが、今は高麗青磁の色という意味で使われる。

◆高麗・朝鮮時代の磁器の名品展示会が秋を豊かにしてくれている。国立中央博物館で開かれる「天下第一翡色青磁」展は、ソウル五輪を記念して1989年に開催された「高麗青磁名品特別展」以来23年ぶりに開かれる高麗青磁展示会だ。青磁の完全品のみ約350点が展示されるほか、博物館の所蔵品と共に、澗松(カンソン)美術館や個人の所蔵品、日本の大阪東洋陶磁博物館やヤマト文化館所蔵の国宝級の高麗青磁が展示される。母猿のほおを撫でている子猿を描写した「青磁母子猿形硯滴」(国宝270号)は高麗時代の美的感受性の極限を物語る。

◆「澗松美術館」、「サムスン美術館 Leeum」と共に3大私立美術館に挙げられる「湖林(ホリム)美術館」では、「湖林、文化財の森を散策する」展が開かれている。「湖林」は、尹章燮(ユン・ジャンソプ)成保(ソンボ)文化財団理事長の雅号だ。成保化学会長の尹理事長は、澗松・全鎣弼(チョン・ヒョンピル)先生のように私財をなげうって文化財を購入し、韓国文化財の流出を防いだ。尹理事長が一生をかけて収集した国宝級の遺物や貴重な所蔵品が展示会に姿を現した。15世紀の傑作品、「粉青沙器剝地蓮魚文扁𨯯」(国宝179号)と「菁華百磁梅竹文壺」(国宝222号)の美しさは、「朝鮮磁器の総結集」と言うに値する。韓国を代表する陶磁器の饗宴に浸ることができる秋だ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com