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「羅老号よ!悠々と飛べ、紙飛行機のように」

「羅老号よ!悠々と飛べ、紙飛行機のように」

Posted October. 24, 2012 03:00,   

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全羅南道高興郡外羅老島(チョンラナムド・ゴフングン・ウェナロド)の蓬萊(ボンレ)小学校5年生のホン・アジンさん(12)の夢は、「ソムリエ」だ。韓半島の南の海の離れ島に住んでいる少女が、なぜ、「ワイン鑑別士」を夢見るようになったのか。アジンさんは、韓国宇宙開発の産室である羅老(ナロ)宇宙センターから400メートル離れたところで暮らしている。宇宙センターの入り口には、韓国航空宇宙研究院が造成した宇宙科学体験学習空間の宇宙科学館がある。今年3月まで、分校に通っていたアジンさんは、同じ年頃の友達がおらず、科学館は遊び場に他ならなかった。昨春、アジンさんは、科学館に勤務している職員から、「宇宙人が最も飲みたがるのは、ほかならぬワインだ」という話を聞き、その時から、ソムリエになる夢を育ててきたという。それだけ、この地域の子供たちにとって、宇宙は夢の対象となっている。

韓国初の宇宙発射体「羅老号(KSLV−I)」の3回目の打ち上げを4日後に控えた22日午前、アジンさんが通っている蓬萊小学校は、3〜6年生53人を対象に「羅老号に関する特別授業」を行った。教師らは、我々が宇宙大国になるべき理由や、今回の打ち上げが持つ意味合いを説明し、子供らの考え方を手紙や詩、絵などで表現させた。アジンさんは、手紙にこのように書いた。「羅老号よ。夢をかなえるためには、挫折を恐れてはならない。あなたは2度転んだのだから、今回は絶対に成功するはずだ。あなたが夢を叶えば、私も希望を持つことができる」。

6年生のキム・ジュヒさん(13)は、「科学技術の発展に向け尽力している方々を尊敬します」と書き、同じクラスのチョン・ゴウォン君(13)は、「我々の技術がどれほど優れているか、必ず見せてください。私が大きくなったら、科学者になって、力になります」と応援した。

蓬萊小学校の子供たちにとって、「羅老号」は夢であり、希望でもある。同校は、陸地と橋で繋がっている外羅老島では唯一の小学校であり、全校児童数は73人だ。高興半島の端についている外羅老島は、宇宙センターが建設される前までは、誰一人見向きもしなかった島だった。大韓民国初の宇宙発射体を打ち上げる基地が建設され、島の名からとって発射体を名づけ、年間30万人が訪れる観光名所になると、島の子供たちの誇りは大変強くなった。

しかし、宇宙に向かう夢は、そのつど挫けられた。09年8月の1回目の打ち上げは、ペアリングの片側が分離せず、失敗し、10年6月の2回目の打ち上げの時は、離陸から137秒後に、ロケットが空中で爆発した。羅老号の打ち上げを近くで見守ってきた子供らの挫折は大きかった。ソン・テグン校長は、「羅老号の打ち上げ成功を、誰よりも切に願っているような気がして、特別授業を行った」とし、「子供たちは自分たちの願いを、文章でうまく表現した」と語った。

同日、特別授業を終えた5年生18人は、学校から車で20分距離の宇宙科学館の屋外展示場を訪れた。会場には、高さ33.5メートルの羅老号の実物模型が高くそびえている。子供たちの手には、白い紙飛行機が握られていた。授業時間に書いた文章を畳んで、紙飛行機を作った。「皆さん!羅老号を応援しながら、思いっきり飛ばしましょう」。イ・スヨン担任教師(30)の言葉が終わるや否や、子供らは「うわ」と歓声を上げながら、羅老号に向け、紙飛行機を投げ出した。強風に押され、高く飛ばせることはできなかったが、成功的な打ち上げを祈願する子供らの気持ちは、天に届いたようだった。



shjung@donga.com