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「 世界IT業界の訴訟は悲しいこと」グーグル単独取材した記者が特許攻勢を批判

「 世界IT業界の訴訟は悲しいこと」グーグル単独取材した記者が特許攻勢を批判

Posted October. 22, 2012 03:21,   

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世界最大手のインターネット企業・グーグルは、「開放と共有」を会社の重要価値として打ち出してきたが、実は、重要な秘密は誰よりもしっかりと隠している。00年代前半、マイクロソフト(MS)がグーグル事業に目をつけることを恐れ、企業公開まで遅らせながら、売上を隠してきた。創業者たちのメンターだったスティーブ・ジョブズに対しても同じだった。グーグルは彼が、「アイフォン」を作る時、「アイフォンとは全く異なる製品だ」と主張し、スマートフォン運営体制(OS)「アンドロイド」を隠したため、後日ジョブズを怒らせたこともある。

そんなグーグルが、たった一人の記者に内部を公開した。米情報技術(IT)専門誌・ワイアードの首席記者のスティーブン・レビー氏だ。グーグルはレビー氏に対し、自分たちの物語をありのまま書いて欲しいと頼んだ。そんな形で出たのが先月、国内で翻訳された著書『イン・ザ・プレックス(In the Plex)』だ。翻訳者のウィ・ミンボク氏と一緒に19日、レビー氏を、グーグルのテレビ会議システム「ハングアウト」を使ってインタビューした。

ひとまず、最近の世界IT業界の議論となっている特許訴訟について聞いた。「悲しいこと」だという答えが返ってきた。その解決策として、「特許を通じて利益を手にしながら、攻撃武器としては使わせない制度が必要だ」と語った。これは最近、グーグルが主張している標準特許論とも軌を一にしている。グーグルは、アップルが攻撃武器として使っている「マルチタッチ」や、「押してロックを解除」などの機能はあまりにも強力なため、ロイヤルティーを払ってでも誰もが使うことのできる標準特許にすべきだと主張している。

新OS「ウィンドウズ8」を間もなく公開する予定のMSは、「遅すぎる」と言い切った。ウィンドウズ8はすばらしいOSだが、すでに、グーグルが時価総額ではMSを上回っており、デスクトップPC時代は過ぎ去りつつあるという指摘だった。それなら、MSを乗り越えたグーグルは、もうひとつのMSになるのではないだろうか。

レビー氏は、「『MS税金』という言葉を知っているか」と聞き返した。MS税金とは、MSは新製品は必ずウィンドウズOSだけで運営が可能なように作っており、MS製品を使うためには必ずウィンドウズOSを買わなければならないことを批判する造語だ。一方、グーグルの電子メール「Gメール」や「クローム」ウェブブラウザは、アップルのアイフォンでも、ウィンドウズOSでも使うことができる。

氏は、「この10年間、MS税金のない唯一のMS製品はエックスボックスゲームだが、同製品は同期間、MSが収めた唯一つの成功だ」と主張した。MSは、成功の仕方を知っていながら、グーグルとは異なる哲学を持っているため、変化に遅れているという主張だった。

一方、フェイスブックについては前向きに評価した。レビー氏は著書の中で、常に新たな革新を捜し求めてきたグーグルが、とりわけソーシャルネットワーク分野では、フェイスブックの後ばかり追っていると批判したことがある。氏は、「本の発売後、グーグルが披露したソーシャルネットワーク『グーグルプラス』は、フェイスブックにならって作ったものではなく、グーグル自体をソーシャルネットワーク化し始めたことであり、成功的だ」と主張した。創業者らが根本的な変化を恐れなかったため、前よりよくなったという。しかし、「今後、フェイスブックが検索市場に本格的に進出し、人気を集めることになれば、それこそグーグルにとって大きな脅威になるだろう」と付け加えた。

レビー氏は、スティーブ・ジョブズとも大変親しい間柄だ。昨年初頭、ジョブズと最後の個人的な面会も行った。しかし、その時のことは、「一人だけのものにしまっておきたい」として、答えようとしなかった。その代わり、最近、ジョブズのいないアップルは、かつてとは違うという指摘に対しては、「ジョブズが生きているときも、全ての製品が完璧ではなかった。最近、批判を受けているアップル地図は、グーグルの影響力から脱却するために、ジョブズ時代から準備してきたものだ」と主張した。



sanhkim@donga.com