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[オピニオン]チェーンスモーキングは性的暴行?

[オピニオン]チェーンスモーキングは性的暴行?

Posted October. 20, 2012 07:29,   

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多くの女性たちは、最悪のお別れの通知として、米ドラマ「セックスアンドザシティ」で、女性主人公・キャリーの「付箋でのお別れ」を取り上げる。関係がこじれて悩むキャリーの前に、彼氏のジャック・バーガーが夜遅く、花束を手に訪れて仲直りを頼み、キャリーは彼と一夜を過ごす。さわやかな気分で目を覚ましたキャリーが目にしたのは、ベッドの隣の空きスペースとノートパソコンに張られている一枚の付箋。「悪かった。もうだめだ。僕を憎まないでほしい」。キャリーは、お別れそのものより、彼の別れ方に憤りを感じる。確かに、お別れにも礼儀は必要だ。

◆昨年、ソウル大学の一人の女子学生が、彼氏が続けざまにタバコを吸いながらお別れを宣言した行為は、性的暴力に他ならないとして、社会学部の学生会に提訴した。「彼は、その日、私に会ってから別れを告げるまで、絶えずタバコを吸いました。男性性を浮き彫りにし、女性の主体的権利を圧倒させたものです。喫煙を通じて表現する深い苦悩や威圧感の前で、私の感情や立場は無視されたような気がしました」。これが、その女学生がチェーンスモーキングをしながらお別れを告げたことを、性的暴力と決め付けた根拠だ。

◆最近の性的暴力とは、レイプやわいせつ行為、性器露出などの身体的暴力だけでなく、言葉や精神的暴力まで含める傾向がある。さらに、性的暴力の有無を決め付ける重要な要因は、「強制性」だ。今回の出来事の中心は、男がチェーンスモーキングというマッチョ的行為を持って、女性の感情を無視したかどうかだ。チェーンスモーキングは、苛立った時の行為だ。続けざまにタバコを吸いながら、お別れを告げるのは性的暴力であり、愛の告白をすれば、性的暴力ではないか。チェーンスモーキングの代わりに、一気飲みを続けながら、別れを告げれば、それは性的暴力ではないか。チェーンスモーキングが男の占有物かのようにみなす考え方自体が、偏見ではないか。男がタバコの煙を吹き続けながら、男性性を浮き彫りにさせていた時、主体的権利を持っていた女性は、果たして何をしていたのか。フェミニストを自任する私としては、判断がつかない。

◆ソウル大学社会学部の学生会長であり、柳時敏(ユ・シミン)元統合進歩党共同代表の娘であるユ某氏は、「この事案では、チェーンスモーキングは性的暴力ではない」と、提訴を差し戻した。その後、該当女学生や複数の女性主義団体が、ユ氏に対し、「性的暴力の2次的加害者」と攻撃すると、学生会長職を辞任した。男女問題を公論の場に引き出す若い世代の考え方は、私の世代とは異なっているようだ。女子大生らの考え方を支配している過度なフェミニズムが、悪い後味を残す。ただし、お別れにも礼儀が必要なのは確かな気がする。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com