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[オピニオン]京都大学モデル

Posted October. 10, 2012 06:27,   

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2012年度のノーベル生理学・医学賞受賞者に、英ケンブリッジ大学のジョン・ガードン博士とともに京都大学の山中伸弥教授が選ばれ、京都大学に関心が集まっている。山中教授は、ネズミの皮膚細胞から心臓、筋肉、神経などの様々な細胞に分化できる人工多能性幹細胞(iPS)の作製に成功し、ノーベル賞を受賞する。山中教授の受賞は、東日本大地震、経済危機、政治リーダーシップの欠如など、相次ぐ悪材で落ち込んでいた日本人に矜持(きょうじ)と自信を吹き込んでいる。

◆今回の受賞で、日本最多のノーベル科学賞の輩出地として京都大学の名声が確認された。日本初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹(1949年物理学賞)をはじめ、6人のノーベル科学賞受賞者が京都大学を卒業した。数学のノーベル賞と呼ばれるフィールズ賞の受賞者2人も京都大学出身だ。神戸大学医学部出身の山中教授は、京都大学出身ではないが、2004年から京都大学教授に在職している。地方の国立大学の一つである京都大学がこのように多くのノーベル賞受賞者を輩出したことを見ると、この大学に特別な秘訣があるようだ。

◆1897年、京都大学は理工系の大学として出発した。京都大学の建学理念は「自由な学風」。京都大学は東京大学とともに一時は赤軍派の本拠地だったが、研究、教授、数学の自由を尊重するドイツ式の自由な学風は変わらなかった。京都大学は、「産業の基礎は科学」という考えで理工系に投資しながらも、短期間の研究成果にはこだわらなかった。優れた政治家と官僚を主に輩出してきた東京大学がスポットライトを浴びる時も、基礎科学に対する関心と情熱は冷めなかった。

◆山中教授のノーベル賞受賞は、日本政府の選択と集中が生んだ結果だ。山中教授がiPSの作製に成功すると、日本政府は2010年に山中教授の研究に50億円(711億ウォン)を支援することを決めた。山中教授は、「政府の支援がなかったら研究は不可能だったため、日本という国が賞を受けた」と述べた。口先だけの言葉ではない。韓国でこのような集中支援をすればどうなるか。幹細胞が有望だからといって、一教授、一大学に700億ウォンを支援したなら大騒ぎになるだろう。最近の韓国では、国家信用格付けが日本をリードし、日本を侮るムードがある。日本のノーベル賞受賞はこのような軽い風潮に痛烈な忠告を与えている。

鄭星熙(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com