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「無籍車」による交通違反、過怠金滞納額が103億ウォン

「無籍車」による交通違反、過怠金滞納額が103億ウォン

Posted October. 06, 2012 07:29,   

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交通法規違反で、車体価格の12倍を上回る過怠金を科せられても、街を闊歩する外国車。

米国の自動車メーカーGMが1996年に生産したビュイック・パークアベニュー。同車は、2007年1月から今年7月までに、信号違反やスピード違反、不法駐停車など、道路交通法違反で2307回も切符を切られた。高速道路で1日に10回以上信号を違反をしたこともある。過怠金が1億2473万ウォンも科されたが、一度も支払っていない。排気量3800ccで、発売時の価格は約4000万ウォン、現在の取引価格は800万〜1000万ウォンだ。滞納した過怠金が車両価値の12倍を上回る。

同車は最近も道路を縫うように走って法規違反を続けているが、警察は手をこまねいて見ているだけだ。誰がこの車を運転しているのか分からない「無籍車」だからだ。車の所有者として登録されているナ氏(32)は、「2007年に中古車販売業をしていた時に車を売ったが、購入者が名義を移譲せずに乗って売ったため、現在は誰が乗っているのか分からない」と主張している。警察が全国を捜してこの車を見つけ出さない限り、「無法走行」を防ぐ術がない。警察関係者は、「過怠金は法的処罰ではなく行政処分なので、該当車両を犯罪者のように公開手配することもできない」と話す。

同車のように、過怠金の滞納車両は全国に2000台を上回る。1298回滞納して7402万ウォンを科された「アバンテ」など1000万ウォン以上滞納した違反車両が125台、50回以上滞納した車両は2017台だ。滞納額を合わせれば、約103億2000万ウォンにのぼる。

問題は、車の持ち主が単に過怠金を払わないだけでは済まないことだ。ほとんどが第3者の名義の無籍車なので、交通法規を思いのままに違反し、犯罪にもしばしば利用される。過怠金の滞納車両の多くが、監視網で捉えられない道路の上「時限爆弾」ということだ。

4月、京畿道水原市(キョンギド・スウォンシ)で20代の女性を殺害したオ・ウォンチュン被告も、普段、未登録のバイクに乗っていた。警察は、オ被告が廃車になったバイクのナンバープレートをつけ、自分の犯罪行為を隠そうとしたと見ている。7月、貨物連帯所属の組合員が、スト不参加者の貨物車に防火した時も、無籍車が利用された。女性を車に乗せ、殺害する手法を使った連続殺人犯、カン・ホスン死刑囚は、自分の母親の名義の車を使って足がついた。もしカン・ホスン死刑囚が無籍車を使っていたなら、犠牲者はさらに増えていたかもしれない。

警察関係者は、「無籍車がひき逃げ死亡事故を起こせば、犯人を逮捕できないことが多い」と話す。2010年、監査院の実態調査によると、全国に無籍車が2万1000台も利用されている。

警察は、無籍車の流通を阻止するために、過怠金滞納車両を集中的に取り締まっているが、行き詰っている。昨年7月に施行された秩序違反行為規制法によって、過怠金の滞納で押収された車両は売買できず、使用中の車の名義移譲をしていない場合、ドライバーを処罰することができる。しかし、個人間の車両の取引を一つ一つ監督できないうえ、名義移譲をしないドライバーが「知人にしばらく借りて乗っている」と白を切れば、取り締まりは事実上不可能だ。

警察関係者は、「一斉取り締まりで、30万ウォン以上の過怠金を滞納した車両のナンバープレートを外す方法が今のところ最も効果的だ」とし、「無籍車であろうがなかろうが、過怠金を完納するまで、車に乗れないようにしている」と述べた。



neo@donga.com