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精神疾患者による凶悪犯罪が10年間で3倍増、高い再犯率にも管理されず

精神疾患者による凶悪犯罪が10年間で3倍増、高い再犯率にも管理されず

Posted October. 03, 2012 04:10,   

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社会への敵愾(てきがい)心を抱えている精神疾患者による凶悪犯罪が急増している。昨年は今まで初めて2000件を超えた。9月28日、うつ病のため、精神健康医学科に入院して治療を受けていた一人の高校中退生が、私立小学校の教室に押し入り、スコップを振り回した事件に続き、1日は慶尚南道漆谷郡(キョンサンナムド・チルゴクグン)でも、精神疾患者が、一面識すらない女子大生を、凶器で殺害した。このように、精神疾患者による「通り魔事件」が相次いで起きているが、犯行を予防できる管理システムなどまったくないのが現状だ。

2日、警察庁が、民主統合党の辛鶴用(シン・ハクヨン)議員に提出した資料によると、02年から昨年にかけてのこの10年間検挙された犯罪者のうち、精神疾患を患っている状態で犯行を起こした犯罪者は、計1万4951人と集計された。精神疾患者とは、持続的精神分裂や反復性うつ病障害、重症の知的障害で、日常生活や社会生活に深刻な制限を受ける人を意味する。精神疾患犯罪者は02年は739人、03年は629人に過ぎなかったが、昨年は2120人に上った。02年は、全体犯罪者10万人中38人だったが、昨年は3倍以上増えた117人に達した。

特に、精神疾患者による犯罪のうち、殺人と強姦、強制わいせつ、強盗、放火の5大凶悪犯罪が急増している。昨年、殺人や殺人未遂=46人、強姦や強制わいせつ行為=49人、放火=47人、強盗=21人と、凶悪犯罪者だけでも163人に上った。02年は52人、03年は61人だったことに比べれば、約3倍へと伸びた数値だ。

又松(ウソン)大学のイ・ヤンフン教授は、「専門的精神健康医学科の治療が必要なのに、それができるほどの経済的状態におらず、自宅に放置されているケースが大半だ」とし、「さらに、結婚などで社会に適応できる機会に恵まれない上、彼らを世話する家族も足りず、犯罪者になるケースが多い」と分析した。

現在、精神疾患者は、「心身障害で物事を判断する能力がなかったり、意思決定のできる能力のなかったりする者は処罰しない」という刑法の規定により、減刑を受けたり、処罰されないこともありうる。精神疾患犯罪者のうち、再犯リスクが高く、治療が必要だと裁判所が判断する場合は、治療監護処分が下される。精神疾患犯罪者の収容施設は現在、公州(コンジュ)治療監護所1ヵ所のみであり、医師1人当たりの担当患者数が113人に上っている。一般精神健康医学科より、患者が3倍ほど多い。

さらに深刻なのは、精神疾患者の再犯率はとりわけ高いのに、出所後は何ら管理を受けていないことだ。警察や法務部ともに、別途の管理システムを備えていない。最高検察庁の「犯罪分析」資料によると、精神疾患者らが、再犯を起こす割合は32.1%で、一般犯罪者(24.3%)より8%ポイント高いことが分かった。



neo@donga.com