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[社説]誤って選んだ教育監が乱したソウルの教育

[社説]誤って選んだ教育監が乱したソウルの教育

Posted September. 28, 2012 08:49,   

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最高裁判所2部は、2010年6月のソウル市教育監選挙で途中で立候補辞退したソウル教育大学教授の朴明基(パク・ミョンギ)候補に2億ウォンを渡したソウル教育監の郭魯鍱(クァク・ノヒョン)被告の懲役1年の実刑を確定した。裁判部は「事後買収罪」が違憲だとして憲法裁判所に憲法訴願を提起した郭被告に対し、「立候補を辞退した後、その対価を目当てに金銭を提供したり受け取る行為を処罰する公職選挙法232条1項1号が罪刑法定主義の明確な原則、憲法上の過剰禁止の原則などに反していると見ることはできない」と判決理由を明かにした。

当選無効の刑が確定したことで、郭氏は直ちに教育監職を退き、12月の補欠選挙までイ・デヨン副教育監が権限を代行することになる。だが、いわゆる「進歩派教育監」である郭氏が残したソウル教育の混乱は小さくない。学校長の経営能力評価で学力増進成果の項目を外し、郭氏は学力軽視風潮を煽ったと言っても過言でない。全国16の市・道教育庁の学力評価で、ソウルは連続の最下位だった。郭氏は経済協力開発機構(OECD)が15歳の生徒を対象に実施している国際的な学習到達度調査(PISA)で、韓国が上位の成績を出したことについて「高い成績の8割は強制された累積学習と私教育費に裏付けられた学習時間の結果だ」と皮肉った。

学生人権条例は、生徒の生活指導を担当する教師の権威を崩壊させた。郭氏は今年1月26日の1審判決後に釈放されるや否や、公布された同条令を通じて生徒指導に当たるべく教師の手足を縛りつけた。校内暴力が起きても教師は手を拱いていたり、女性教師が生徒たちからセクハラをされても打つ手がないほど教権の墜落が加速化しているが、こうした現象に学生人権条例が一役を買っている。

郭氏の有罪判決が確定し、郭氏は選挙管理委員会から補填を受けた選挙費用35億2000万ウォンを返済しなければならなくなった。左派陣営は、「有罪が決まれば補填してあげる」としていたが、教育監を退いたところでも、行動に移すかは未知数だ。こういう手の変則的な選挙費用の補填は、新たな法的論争を呼び起こす可能性がある。

郭氏の誤って選んだ教育監が二度と生まれないうようにするためには、直接選挙制度の矛盾を改めなければならない。高費用構造の制度のため、金権選挙や贈収賄への誘惑が付きまとう。

張萬彩(チャン・マンチェ)全羅南道(チョルラナムド)教育監も収賄罪に問われて裁判にかけられている。教育監の思想的な偏りのために、偏った教育が行われるのも問題だ。教育監候補と自治体首長候補を共同で登録させる制度などの対案について検討する必要がある。