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中日対立、長引けば韓国にも悪影響 李鍾元教授に聞く

中日対立、長引けば韓国にも悪影響 李鍾元教授に聞く

Posted September. 24, 2012 09:20,   

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「日本と中国、韓国が衝突モードに突入すれば、短期的には韓国に有利かも知れないが、構造的にはかなり苦しくなる」

日本早稲田大学大学院・アジア太平洋研究科の李鍾元(イ・ジョンウォン)教授は最近、早稲田大学の研究室で東亜(トンア)日報のインタビューに応じ、「領土問題は基本的に妥協が不可能な『ゼロサムゲーム』であるだけに、現状を凍結させ維持する方向でなければならない」と提言した。

韓日関係や東アジアの国際政治を研究している李教授は、日本では異邦人の視点からバランスの取れた鋭い分析で知られる。NHKの討論番組にも常連で出演している。

——今の東アジア情勢を診断してもらうと。

「二つの変化が同時に起きている。一つは中国の台頭と米国と日本の相対的な衰えによる『力関係の変化(Power Transition)』だ。もう一つは、55%に上る域内貿易比率が物語る『相互依存』の深化だ。力関係の変化のため、これまで日本が経済力で抑え込んでいた歴史問題が噴出しているのだ。ある年配の日本人教授は、『日本はこの100年間、アジアを見下ろして関係を結んできた。自分と対等か強いアジアとの安定した関係を設定した経験がない。これからが大きな課題だ』と話したが、的をついた表現だ。二つの変化をバランス良く統合することが政治に課された課題だが、韓中日の政治がいずれも不安定な転換期を迎えているため、少なくとも短期的に盛んな衝突が大事態に発展する危険性が高まった」

——韓日関係の見通しは。

「靖国神社参拝を強行して最悪の韓日関係と言われた小泉潤一郎政権のときよりも、今の韓日関係がもっと良くない。当時は歴史問題が焦点だったが、今は物理的衝突の危険を孕む領土問題まで全面に浮上した。日本が独島(トクト・日本名竹島)問題を国際会議や韓日間のテーブルに載せて(領有権を)主張し続ける場合、韓国としても対応せざるを得なくなる」

——日本が変わったという見方が多い。

「中国の台頭に危機感を感じて対抗的ナショナリズムが強くなった。ここ数年間、国防を強化しなければならないという議論が一人歩きしている。韓国や中国などアジア諸国がどんどん日本を追い越していることへの反発意識、競争意識、警戒感があちこちでで見られる。かつて日本の『普通国家論』(平和憲法改正を通じた再武装論)は日本の強くなった力に相応しい国際的地位を取り戻すべきだというものだったが、今は自らを守らなければならないという意識が加えられたせいか、以前よりも神経質的になっている。もう一つは、今の日本政治の主流は50代以下の戦後世代であることだ。彼らはアジアとの関係において、歴史認識が薄い。韓国との関係についても中国をけん制するための戦略的な観点にとどまっている」

——日本は、東アジアの力関係の逆転に、なぜそれほどまで不安を感じているのか。

「安全保障を米国に依存しているのに、その米国が衰えている。アジアとは戦後問題を処理しながら十分な信頼関係を作ることができなかった。韓国や中国は、戦後復興の過程で、日本の協力が切実に必要としていたため、不満があっても堪えてきた。中国が最近『我々は十分我慢してきた』と言っているが、ある意味で、それはその通りである。日本は、アジアとの関係に依然として不信感があることを知っているから、力関係の変化に不安を感じているのだ」

——日本はなぜ過去の歴史を清算できずにいるのか。

「戦後の国際関係を支配した力関係が大きな要因の一つになった。冷戦構造と絡んでアジアは弱かったし分裂したため、日本は反省をせず、補償をせずに済んだし、だからしなかった。ドイツはフランスや英国が立ちはだかっていたので欧州で生きていくためには反省と補償をしなければならなかった。だが、冷戦が終わり、力関係に変化が起こり、従軍慰安婦問題など歴史問題が普遍的な人権問題として浮かび上がるような世界史的な変化があった。日本は自国の利益を考えてでも、歴史問題と向き合わざるを得なくなった。教科書歪曲問題を受けて出た1982年の宮沢喜一談話、植民地支配と侵略について謝罪した1995年の村山富市談話などは、そうした脈絡から出たものだ。今回の尖閣事態などを通じて、石原慎太郎東京知事のような人が日本の国益にプラスなのかマイナスなのか、今後検証されなければならないだろう。歴史に逆走している人が短期的には拍手を受けるかもしれないが、様々な副作用が現われると、長期的に日本に決してプラスにならないことを国民が気づくことになるだろう」

——尖閣諸島をめぐる中日対立の出口はあるのか。

「一歩間違えてチキンレースになりはしないか心配だ。日本が国有化を撤回するのは難しいだろうが、実行を猶予する案も考えられる。野田佳彦首相があらゆるチャンネルを動員すると言ったから、曖昧な状態で蓋をする可能性はある。今回、中国の強硬な姿勢からは、石原知事や野田首相などの右派的な言動に対して、かつて金泳三(キム・ヨンサム)元大統領が『日本の態度を改めさせる』と話したトーンが感じられる。今の状態で時間が経てば中国に被害があるだろうが、中国への経済依存度が大きくなった日本は相当疲れるだろう。今回の事態を通じて改めて確認できたことは、日本政治の水準の低さだ。政治家らが東アジアとの関係など大きな枠組みから考えないで、国内政治だけに囚われている」



bae2150@donga.com