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ネットで広がる人肉怪談、オ・ウォンチュン事件の未解明が原因

ネットで広がる人肉怪談、オ・ウォンチュン事件の未解明が原因

Posted September. 18, 2012 08:01,   

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「確認されていな用途で人肉を提供する目的があったものと見られる」

京畿道水原市(キョンギド・スウォンシ)で20代女性を殺害した罪で起訴されたオ・ウォンチュン被告(42)の1審判決公判で、裁判所は死刑を言い渡しながら、このような判断を下した。遺族と一部のネットユーザーが主張する「人肉確保を狙った殺人」説に信憑性があると見たものだ。

この事件を契機に、人肉にまつわる怪談が社会に広がるかと思いきや、最近はネットの掲示板やソーシャルメディア(SNS)にも「中国では10月10日を『双十節』と呼んで、この日を『人肉デー』に決めて人肉を食べる」「中国高官らが人肉を食べに韓国ツアーに来る」というとんでもない話や関連の写真が次々と投稿されている。怪談とともに広がった不安感は、雪だるまのように次々と新しい怪談を作り出している。

●オ・ウォンチュンは人肉を狙って殺害したか

怪談の火をつけたのはオ・ウォンチュン事件の1審裁判所が「死体を毀損しながらわいせつ物を見るなど平気で犯行を続けたほか、犯行前の2ヵ月間の通話記録を削除したことから、単なる死体遺棄が目当てだったと見るのは無理がある」と判断した。力仕事をして稼いだお金で、月1〜2回を買春までしていたのに、4年6ヵ月間、中国に5500万ウォンを送金していることも「人肉の取引をするためではないか」という疑問を強めた。

しかし犯人は強く否認している。13日に開かれた控訴審の結審後半で、オ被告は「人肉の話が悔しくて(控訴した)」と話した。オ被告は「売春をしたという内容があったので、友達が見るのを恐れて犯行前に通話記録を削除しただけだ」とし、「(5500万ウォンは)父と一緒に仕事をして着実に集めた」と主張した。

被告の釈明通り、一部の疑惑で事実出ないことが明かになった。犯行現場の焼却炉で「人のものと見られる骨の欠片が見つかった」という話もあったが、5月に国立科学捜査研究所が鑑定を行った結果「鶏の骨」と判明した。だが、その後も骨の欠片が見つかり疑惑が膨らむと、警察は、欠片のすべてを国立科学捜査研究所に鑑定を依頼し、動物の骨であることを解明した。

最近カカオトークを中心に「オ・ウォンチュンの犯行現場近くで200人あまりの女性が殺害され、人肉市場に売られただろう」という怪談が広がっていることに関連し、警察は「オが経由した地域に見帰宅の届出が出されている女性150人あまりに対する全数調査を実施した結果、全員生存しており、犯行との関連はないことが確認された」と発表した。

●静まらない怪談

しかし怪談の広がりには歯止めがかからない。提起された疑惑がすべて解明されたわけではない上、オ・ウォンチュンが自ら釈明したにも関わらず、納得できない部分が残っているからだ。

チャンネルAは、今年7月に報道番組「論理で解く」の「オ・ウォンチュンは本当に人肉を狙ったか?」編で、事件にまつわる疑惑を紹介した。チャンネルAは、犯行現場から約40キロほど離れた場所にある防犯カメラの映像に映っている女性が人肉流通に関わった共犯ではないかという主張を紹介した。

これについて警察は、防犯カメラの映像に登場する女性は「事件と関係ないと把握している」としながらも、「夜間だったし電柱で隠れて女性の身元はもちろん、事件を目撃したかも確認が難しい」と話した。

犯人が日当で9万ウォンをもらっていたことも疑問だ。一部のネットユーザーらは、「冬場を除いて月平均25日を10ヵ月働いて2000万ウォンがもらえるのに、売春までしながら年に1000万ウォンずつを送金していながら、口座に700万ウォンが残っていたのは疑問だ」と指摘した。これに対して警察は、「入出金の内訳を調べたところ、すべて工事関係者らとの取引だった」とし、「人肉を流通しようとすれば死体を冷蔵庫に保管しなければならないのだが、オ・ウォンチュンは洗濯機の中に長く放置していた」と明らかにした。しかし、オ・ウォンチュンが人肉を365個のレジ袋に分けて入れて、運搬し易いようにしていた理由についての説明はなかった。

一般的に怪談は話の中身がそれこそ「奇怪な」水準のものであることが判明するのだが、「レジ袋365個」の理由と「防犯カメラの女性」の身元などが明確に解明されていない限り、このような疑惑は絶えない可能性がある。

●凶悪犯罪の日常化時代の自画像

政治、経済、社会的に不安な時期に噂に頼ろうとする心理が怪談を広めているという指摘もある。オ・ウォンチュン事件以後、凶悪犯罪が相次ぎ、不況が続く中で、否定的な怪談を見つけて最悪の状況に備えようとする心理が働いているという。

ソウル大学心理学科のクァク・グムジュ教授は、「この頃はインターネットとソーシャルメディアの普及で怪談が広がるスピードが速く、範囲も広い。怪談の拡散による被害を収拾するのにかかる社会的費用を防ぐためには情報伝達者の責任を問えるような対策が必要だ」と話した。

警察の関係者は、「実際根拠のある疑惑なら、とっくに警察で捜査をしていただろう」とし、「インターネットで広がっている疑惑はすべてが怪談に過ぎないので、戸惑わされる理由などない。確認されていな話で不安を助長するのも一種の犯罪であるだけに、ネットユーザーも慎重になる必要がある」と呼びかけた。



hparks@donga.com dong@donga.com