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「母親の気持ちで…」 女性裁判官が涙の実刑判決

「母親の気持ちで…」 女性裁判官が涙の実刑判決

Posted September. 07, 2012 05:55,   

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「被告はまっすぐな心の持ち主で、純粋に成長する可能性があり、実刑を下すのが果たして望ましいのかどうかいろいろ悩みました。被告のような思春期の子を抱えている母親として、被告の親子の罪悪感や苦しみにも深く共感し、理解しています」

成績を巡るプレッシャーや虐待に耐え切れず、母親を殺害し、遺体を放置した疑い(尊属殺害)で拘束起訴されたチ某被告(19)に対する6日の控訴審の判決公判で、趙京蘭(チョ・ギョンラン)部長判事(52、司法試験24期)は、涙を浮かべた。虐待に耐え切れず、母親を殺害した思春期の少年に対する深い憐憫の情のためだった。

ソウル高裁の唯一の女性裁判長である趙部長判事は、黄土色の囚人服をまとい、頭を下げた状態で被告席に座っていたチ被告をしばらく眺め、「成長過程で母親から虐待を受け、特に外国語高校への入学試験に落ちた後は、虐待がひどくなった」とし、「過度な虐待で物事への判断力のない状態で、犯行を行ったものと見られる」と述べた。趙部長判事は、チ被告が08年以降、母親からゴルフクラブで1度に100回〜200回ずつ数年間殴られ、犯行当時は3日間ろくに寝ることもできず、食事もできない状態だったことに、何度も触れた。

チ被告は、犯行当時を思い出すかのように、裁判中頭を上げなかった。泣きじゃくるかのように時々、肩が揺れた。チ被告は先月の被告の最後陳述で、「母親は亡くなるとき、『私がこのように死ぬのはかまわないが、そうなれば、あなたの人生が台無しになる』と引き止めた」とし、「最後の瞬間まで、私のことを心配してくれた母親を考えれば、すまない気持ちで一杯だ」と述べた。

しかし、趙部長判事は同日、チ被告に対し、1審と同様に懲役長期3年6ヵ月、短期3年の実刑を判決した。そして実刑判決の理由を明らかにし、気の毒そうに涙を流した。趙部長判事は震える声で、「被告の親子が提出した反省文と嘆願書を目にし、大変悩んだ」とし、「しかし、刑罰は被告一人だけを目的にするものではなく、被告も一定期間、最も低いところで、敬うことや奉仕の気持ちで、自分を振り返り、罪滅ぼしの時間を持つのが有益だと思う」と話した。

さらに、「被告をすぐに父親の手元に返すことはできないが、母親の気持ちで被告の親子が心の頼りにしている神様に、被告の将来のために祈ることを約束する」と述べた。傍聴席にいたチ被告の家族や一部の傍聴客も涙を浮かべた。チ被告は判決が終わった後、裁判長に深く頭を下げた。



jks@donga.com