Go to contents

自説むき出しの米大手ケーブルチャンネル、民主党党大会報道が佳境

自説むき出しの米大手ケーブルチャンネル、民主党党大会報道が佳境

Posted September. 05, 2012 06:49,   

한국어

米共和党の党大会2日目の先月29日、ポール・ライアン副大統領候補は演説で、オバマ大統領の経済政策の失敗で自分の故郷で自動車工場が閉鎖したと主張した。工場の閉鎖がオバマ大統領就任前なのか後なのか問題になる発言だった。フォックスニュースは、この点を無視し、「個人的ストーリーを加味した立派な演説だった」と評価した。MSNBCは単刀直入に「ライアンは嘘つき」と批難した。CNNはどちら側にも立たず、議論になる部分を一つひとつ分析した。

このように共和党、民主党の大会期間、激しい視聴率争いをしている3つのチャネルの論調は対照的だ。フォックスは親共和党、MSNBCは親民主党、CNNは中立だ。特に、フォックスとMSNBCの偏向報道は危険レベルに達したと指摘されている。ニューヨーク・タイムズは1日、「フォックスとMSNBCのニュースは『報道』ではなく『主張』だ」とし、「両チャネルは公正報道を無視する『双子の悪魔(evil twins)』だ」と強く批判した。

米国の3大ケーブルニュース・チャネルの3社は、1日1時間だけ党大会の内容を報道する3大地上波のNBC、ABC、CBSとは違って、一日中党大会を生中継している。フォックスは、共和党の党大会期間、視聴率でCNN、MSNBCだけでなく、地上波まで圧倒した。党大会ハイライトの最終日(先月30日)にフォックスは910万人の視聴者を確保し、ABC(440万人)、NBC(390万人)、CBS(370万人)、CNN(230万人)、MSNBC(190万人)を大きくリードした。

フォックスは、共和党の大会期間、保守志向の専門家だけパネリストとして招待し、党大会が終わった後も、同じ内容を何度も再放送してひんしゅくを買った。共和党の党大会中、最大の話題だった「イーストウッド空の椅子」事件についての言及もなく、「共和党に不利な内容なので故意に報道しない」という非難を受けた。

一方、MSNBCは、ミット・ロムニー共和党大統領候補の演説について、「拍手ゼロの無感動演説」と卑下し、「共和党が人種カードを使っている」と非難に熱を上げている。クリス・マシューズ、レイチェル・マドーなどのMSNBCの看板アンカーは、「オバマのスポークスマン」というレッテルが貼られた。MSNBCは、地上波NBCの記者と自社の記者が共同報道するシステムを運営しているが、NBCの記者がMSNBCの偏向報道のため出演を敬遠しているほどだと、政治専門サイト「ポリティコ」が1日、伝えた。

アンダーソン・クーパー、ウルフ・ブリッツァーらスター級のアンカーがいるCNNは、党大会期間中、共和党、民主党寄りの専門家を均等に招き、両者の主張を公平に伝えた。しかし、各争点で両者の主張に同時間割く報道のやり方が「退屈だ」という評価を受け、視聴率争いでフォックスとMSNBCに後れを取っている。CNNの今年の共和党の党大会視聴率が2008年よりも50%近く下がり、「CNN危機論」が高まっている。ロサンゼルス・タイムズは1日、CNNをについて「無概念中立者」という酷評まで出ていると伝えた。

専門家らは、民主党の党大会期間には、フォックスとMSNBCの立場が変わるだけで、偏向報道のパターンは繰り返されると見ている。また、「24時間ニュースチャネルの視聴者はすでに明確な政治的見解を持っている人々であり、自分の見解を補強するためにニュースを見る」とし、「フォックスとMSNBCの報道二極化は一層明確になり、中間に位置するCNNの視聴率危機も一層激しくなるだろう」と見通した。



mickey@donga.com