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世紀の難解訴訟、陪審員たち大混乱

Posted August. 22, 2012 07:37,   

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三星(サムスン)電子とアップルとが1年4ヶ月間に渡って激しく戦ってきた「世紀の特許訴訟」1審の最終審理が21日(現地時間)、米カリフォルニア・サンホセ北部地方裁判所で開かれた。同事件の最後のボールは、陪審員団や裁判部に渡ったが、「凡人」で構成されている陪審員団が、専門的かつ複雑な特許事案についてうまく理解し、評決を下すのに大変困惑するものと見られる。同事件の審理に当たっているルーシー・コー判事も、双方の弁護士たちに対し、「陪審員らが大変混乱しかねず、気がかりだ」と述べた。

同日、最後の公判に先立って、三星電子の崔志成(チェ・ジソン)副会長とアップルのティム・クックCEOとは、両社の見解の食い違いを縮めるための最後の電話接触を持ったが、物別れに終わったと、米紙ウォールストリートジャーナルやブルームバーグなど、外国主要メディアが報じた。

●「世紀の乱数表訴訟」になる模様

20日、米IT専門誌「シーネット(CNET)」などの主要外国メディアによると、21日、最終審理初日にコー判事が陪審員らに配った「評決指針(Jury Instruction)」は100ページ、36の評決項目が書き込まれた「評決様式(Verdict Form)」は22ページに上る。その内容は、難解極まりない。コー判事も双方の弁護士たちに対し、「私もこの指針を理解するのに苦しんだが、陪審員たちは私より、目を通す時間が少なく、さぞかし大変だろう」と述べたと、複数の外国メディアが一斉に伝えた。

例えば、デザイン特許と関連し、アップルは、消費者が「両社の製品は本当に似ている」と話していることを理由として、特許侵害だと主張している。一方三星は、「消費者が三星製品をアップル製品だと勘違いして、購入することもありうるので、特許侵害ではなく消費者の判断だ」と主張している。微妙な判断について、陪審員団が法的根拠を持って、しっかり判断を下せるのかどうか疑問だという指摘だ。

さらに、陪審員団は、IT分野においては全くの素人だ。審理を行っている米サンホセ・カリフォルニア北部地方裁判所は、陪審員団による偏見のない評決のため、△両社とは全く関係のない、△IT知識に詳しくない、△友人などの人脈で、IT専門家のいない人物9人を、陪審員団に最終的に選んだ。実際、陪審員団は電気技師や社会福祉士、家庭主婦、無職者などからなっている。

判断が求められる分量自体も膨大な量になっている。アップルは、三星の20あまりの製品が、アップルの3件の機能特許や4件のデザイン特許を侵害したと、提訴した。一方、三星電子は、アップルがアイフォーンやアイパッド、アイポットなどを発売し、三星電子の機能特許(Utility Patents)5件を侵害したと主張している。

陪審員がそれぞれの特許について全て理解していても、両社の特許が有効かどうか、両社の製品が相手の特許を侵害したかなどについて判断しなければならない。数百万〜数十億ドルに上ることもありうる特許侵害による累積被害額の算定も、陪審員らにとっては並大抵のことではない。

●最終判決までさらに時間がかかりかねない

このため、1審の評決や判決は予想より長引きかねないという見方も出ている。1審の最終審は現地時間で21日午前9時、韓国時間では22日午前1時から始まっている。午前は、陪審員の評決手続に関する教育、午後は、両社にそれぞれ2時間ずつの最終弁論時間が当てられている。同日の日程はこれで終わり、裁判の終わりに担当判事が今後の日程について示すものと見られる。

米法曹界では、陪審員たちに検討すべき時間を与えなければならず、早くても23日ごろになってようやく陪審員らの評決が出るだろうと見ている。陪審員による評決が出ても、両社から異議の申し立てがあれば、裁判部は陪審員が追加で話し合ったり、却下決定を下したりするため、最終判決はさらに遅れかねない。

●コー判事、「アップルも不利な証拠を破棄」

今回の裁判のように、世界から注目が集まっている上、複雑な訴訟も他にないだろうというのが米法曹界の一致した見方だ。陪審員団の評決や裁判所の最終判断の結果により、皆に、「トラウマ(傷=Trauma)」を残しかねないという。

裁判所は、「アップルも証拠保全義務を守らなかった」とし、アップルが三星電子に有利な証拠を破棄させた可能性を提起した。20日、米経済専門誌「フォーチュン」や特許戦門ブログ「フォースパテント」などによると、コー判事が前日、陪審員たちに伝えた決定文を通じ、三星電子のみならず、アップルも三星電子に有利な証拠を破棄させた可能性があるだけに、評決に参考にしてほしいと通知した。



witness@donga.com