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農家住宅品薄、うごめく地価 済州道に不動産ブーム

農家住宅品薄、うごめく地価 済州道に不動産ブーム

Posted August. 11, 2012 06:09,   

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●1=初恋の彼女が、ある日突然訪れ、「済州島(チェジュド)の自宅をリフォームしてほしい」と声をかけてくる。建築家の男性は、彼女のために住宅を建て直す。広い窓から済州の青海を一望できる絵のような住宅。映画「建築学概論」に登場する済州島の住宅は、人々の胸をどきめかせるのに十分だった。今も、済州西歸浦市南元邑(ソギポシ・ナムウォンウブ)のロケ地には、観光客らの足が後を絶たない

●2=8日、仁川(インチョン)国際空港から済州島に向かう飛行機の中。平日だったが空席などない。隣の人も、前の人も、皆、中国人団体ツアー客だった。済州島のなかでも事情は同じ。西歸浦市中文(チュンムン)団地の飲食店や海岸など、いたるところから中国語が聞こえてきた。

済州島の不動産市場が煮えたぎっている。特に、農家住宅は品薄現象まで見せている。セカンドハウスやゲストハウスを購入し、第2の人生をスタートさせようとする人たちはもとより、風光明媚な済州島に惚れ込んだ「チャイナマネー」まで加わっているからだ。

済州・バンヨン不動産屋の職員は9日、「いい物件が売りに出れば、即座に問い合わせが寄せられ、その日のうちに売買契約が交わされる」と主張した。この職員は、朝からネットを通じて寄せられる農家住宅購入の問い合わせの確認に追われていた。

かつては、ペンションが人気だったが、今は、農家住宅を安価で購入し、リフォームしたり、ゲストハウスを始めようとする人たちが増えているという。韓国公認仲介士協会のイ・スンイク済州支部長は、「1億ウォン台の農家住宅への関心が熱い」とし、「取引量が20〜30%増えている」と伝えた。

土地の取引も増えている。6月の全国の土地取引量は弱気を見せていたが、済州地域は違っていた。2875筆、407万平方メートルが取引され、前年同月(2612筆、338万平方メートル)比、取引量の筆数では10.1%、面積基準では20.4%が増加した。

物件は限られているのに、需要は溢れ、土地価格を引き上げている。景観の優れた海岸道路の土地は、3.3平方メートル当たり30万〜40万ウォン、高いところは100万ウォンの呼び値がついて久しく、割合安かった中山間地域道路の周辺地域も、上昇の勢いを見せている。不動産仲介業をやっているキム某さん(37)は、「かつては1坪=10万ウォンだった地域も、最近は安くて20万ウォンだ」とし、「今年に入って10〜20%は優に値上がりしている」と主張した。

済州島の住宅や土地に人たちが詰め掛けている背景には、様変わりしている観光インフラがある。まず、格安航空会社が登場し、済州島への心理的距離が縮まっている。かつては、「暮らしたいと思うが、余りにも遠いところ」だったが、今は行き来しながら十分に暮らすことのできるところになっている。

自然にゲストハウスを計画する人たちも増えている。ソウルから帰省し、西歸浦市南元邑に農家住宅を購入してゲストハウスをオープンしたチャン・ユンヨンさん(47)は、「ゲストハウスをオープンしたがる人たちが多すぎて、住宅購入だけでも1年が掛かった」とし、「農家住宅を見もせず、ソウルから電話で契約を交わし、頭金を振り込んだケースも目にしている」と伝えた。

中国人観光客が急増し、「チャイナマネー」が流れ込んでいることも一役買っている。今年6月まで、済州島を訪れた観光客は計460万8238人と、昨年同期より12.7%増加した。特に08年2月から始まっているビザなし入国効果で、中国人観光客が増え、中華圏観光客(42万8361人)を含め、外国人観光客は66万9634人と、昨年比97.1%急増した。

済州島の「外国人による土地取得現状」によると、3月末基準の中国人所有の済州島土地は、計144万2865平方メートルと、今年第1四半期(1〜3月)だけでも2万6865平方メートルを購入した。中国企業各社による不動産投資が増えたためだ。外国人個人によるリゾートへの投資も相次いでいる。済州島は10年2月から、コンドミニアムやリゾートなどの休養系施設に50万ドル、または5億ウォン以上を投資する外国人に対し、永住権申請資格を与えている。

このようなブームに、懸念の声も上がっている。国民(クンミン)銀行のバク・ウォンガブ不動産首席チーム長は、「外国人らの資金が流入し、不動産価格が値上がりする不思議な現象が起きている」とし、「近いうちに上げ幅が一段落し、落ち着きを見せる可能性もある」と主張した。



yunjung@donga.com