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「神が隠したプレゼント」シェルガス採掘技術の確保でエネルギー独立図る

「神が隠したプレゼント」シェルガス採掘技術の確保でエネルギー独立図る

Posted August. 04, 2012 07:55,   

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「神に感謝しなければなりません」。世界最大手の石油会社・エクソンモービルのレックス・ティラーソン会長は最近、米国でのシェルガスの開発ブームについてこのように語った。石油生産量が徐々に枯渇しかねないという懸念が増しているなか、人類が最長200年間使うことのできるというシェルガスの存在は、「神の祝福だ」という。

韓国石油公社が米国でシェルガス会社を設立し、直接開発事業に乗り出すのは、このようなシェルガス革命の流れから決して遅れを取らないという意志から始まっている。

●シェルガス革命の前面に乗り出している韓国

石油公社が韓国ガス公社や国内民間企業各社とコンソーシアムを立ち上げ、米国でシェルガス会社を設立しようとしているのは、シェルガスのノウハウを持っている中堅開発企業各社が米国内に多いからだ。

資源の所有権が国に属している韓国とは違って、米国は石油やガスなどの所有権は、該当土地の所有者にあるため、土地の持ち主と契約を交わし、シェルガス探査や採掘に乗り出す開発企業各社が少なくない。もし、米国のシェルガス開発市場が一握りの企業によって独占されているなら、韓国コンソーシアムの交渉力は一段と落ちるだろうという意味だ。

現在、米シェルガス会社の多くが、安価で持分を売却しようとしていることも、よいチャンスとなっている。仁荷(インハ)大学のシン・ヒョンドン教授(エネルギー資源工学)は、「米国内ではシェルガス供給が溢れており、関連企業各社が資金難に見舞われ、投資誘致に乗り出している」とし、「韓国がこの開発会社各社を買収したり、技術移転を受けることになれば、我々も開発競争に乗り出すことができる」と語った。

実際、グローバルオイルメジャー・エクソンモービルは09年、米シェルガス会社「XTOエネルギー」を360億ドルで買収し、フランスのトータル、中国のシノペックもシェルガス鉱区の持分を買収したことで、技術を確保している。

シェルガスが北米を始め、中国や中南米、南アフリカ、豪州など、世界のいたるところに埋蔵されていることも、政府が前面に乗り出すのに自信を持たせる要因となっている。石油公社の関係者は、「米国で技術力を備えることになれば、南米や東南アジア、アフリカなど、資本や技術の足りない国でもシェルガスの開発に乗り出すことができる」と強調した。

●安価で豊富な埋蔵量が魅力

世界エネルギー業界が米国のシェルガスに注目しているのは、低い価格や豊富な埋蔵量のためだ。米国では、シェルガスの生産が急増し、今年上半期(1〜6月)の北米地域の天然ガス価格はMMBtu(約25万カロリーの熱量を出すのに必要なガス量)当たり3ドルのレベルまで落ちた。これを1バレル当たりの価格で換算すれば、約14ドルだが、現在、国内原油価格が100ドル前後で推移していることを考慮すれば、7分の1レベルだ。

これまで確認されたシェルガスの埋蔵量が、全人類が59年間使うことのできる量の187兆4000億立方メートルに上ることも魅力となっている。これをエネルギー資源1トンを燃やす時に発生する熱量(TOE)に換算すれば、1687億TOEであり、伝統的なガス(1684億TOE)や石油(1888億TOE)に匹敵する数値だ。仁川(インチョン)大学の孫良靛(ソン・ヤンフン)教授(経済学)は、「シェルガスは潜在的埋蔵量まで合計すれば、約200年間使うことができるという予測が出ており、石油や石炭に代わるエネルギー源として浮上している」と主張した。

●シェルガス革命のバブル論も

ところが、シェルガスを祝福だと手放しで喜ぶわけにはいかないという慎重論も持ち上がっている。まず、埋蔵量が豊富で、先進的採掘技術を持っている米国すら、シェルガスを持続的に輸出するのには限界があるという。米国内のシェルがス生産が増えても、伝統的天然ガスは日々生産が減っているため、今より輸出等制を強化しかねないという意味だ。

LG経済研究院のイム・ジス研究委員は、「米国より埋蔵量の多い中国で、シェルガスを本格的に生産してこそ、世界的にエネルギー源の価格が下がるきっかけになるだろう」と見込んだ。

韓国コンソーシアムが米国で確保したシェルガス技術で、直接資源開発に乗り出すのも、容易ではない。今のところ、シェルガスの開発に膨大な水や化学薬品が必要なためだ。したがって、中国や南アフリカのような水不足国や環境汚染の懸念の強い西欧諸国でない東欧や南米、東南アジアなどの隙間地域を狙わざるを得ないという。

国内産業界は、シェルガス革命は韓国にとって「両刃の剣」なるだろうと見ている。米国がシェルガスを海外に輸出するためには、ガスの液化作業や運送、貯蔵などの大規模なプラント施設や船舶が必要だが、ポスコや現代(ヒョンデ)重工業など、韓国の一部の企業は、これらの分野で世界的な競争力を持っており、新たなチャンスになりかねない。

一方、重化学工業や製造基盤を同時に備えている米国が、石油化学製品の基礎原料である「エタン」を、安価なシェルガスから抽出することになれば、割高な原油から出てくるナフサで製品を生産している韓国化学企業各社は、不利にならざるを得ないという見方も出ている。



mint4a@donga.com jhk85@donga.com