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[社説]金炳華氏騒ぎは3権の総体的な誤作動が原因だ

[社説]金炳華氏騒ぎは3権の総体的な誤作動が原因だ

Posted July. 28, 2012 04:05,   

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最高裁判所長官の推薦で大統領が国会に任命同意案の採決を要求した最高裁裁判官候補が本会議での採決前に候補を辞退したのは憲政史上初めてのことだ。最高裁裁判官が欠員する状況と金炳華(キム・ビュオンファ)候補の辞退は、任命同意手続きを進めた国会、内定を要請した最高裁長官、金候補を推薦した検察と法務部、検証を担当する大統領民情首席秘書官など3権の全部に責任がある。

国会は法廷期限を1ヵ月近く超えて開会した上、退任する裁判官の任期終了日に次期裁判官候補の人事聴聞会を開始した。裁判官欠員状態が発生すれば、可能な限り欠員期間と対象を減らすために全力を尽くすべきだが、セヌリ党は裁判官候補4人全員の任命同意案上程にこだわり、民主党は金候補を口実に残り3人の任命同意案処理まで遅らせた。国会の処理が遅れたために20日近く続いている裁判官欠員状態は、国会の無責任さを如実に物語っている。

最高裁長官は、裁判官候補推薦委員会の構成から任命推薦までのプロセスを総括する。裁判官候補推薦委員らは、国会の人事聴聞会で提起された金候補の主な疑惑について事前に把握していなかったと言う。最高裁長官は、裁判官候補推薦委員会が推薦した候補13人のうち4人を推薦した。推薦前に長官が大統領府と事前に摺り合わせるのは慣例となっている。大統領府も検証が甘かった責任は免れない。

今回の混乱の最大の責任は、検察推薦の裁判官として金候補を推薦した検察と法務部にある。金候補が偽装転入や売買価格を縮小記入した契約書の問題など、明確な欠格事由が明るみに出たにも関わらず、その程度は裁判官候補として大きな問題にならないという安易な態度が問題だ。金候補自身は否認しているが、貯蓄銀行不正ブローカと深い関わりを持っていたという疑惑も持ち上がった。問題になり得る人物を最高裁裁判官候補に推薦したこと自体間違っている。

最高裁は事件記録が裁判官のキャビネットに積もってから机に移されるまでに3ヵ月以上がかかるほど業務量が多い。今回の裁判官欠員事態で処理が遅れている事件が数百件を超えると、最高裁2部のヤン・チャンス裁判官が1部の事件まで引き受ける兼業をしている。裁判官13人のうち、検察推薦分を割り当てる慣行は、法曹の一角を担っている検察を尊重し、最高裁の多様性を生かすというところに意味がある。だが、検事長級に最高裁裁判官に相応しい人物や志願者が少ないのなら、敢えて検察出身をこだわる理由はない。