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[オピニオン]エストニアvsクルーグマン

[オピニオン]エストニアvsクルーグマン

Posted July. 24, 2012 04:07,   

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大統領選の候補は、国民の生活を強調するが、対策は実に様々だ。大企業の富者増税で福祉を拡大するのが野党の対策で、与党は増税反対、それでも福祉拡大を約束する。21日の官民討論会では、「解決できないことをすべて解決しよう」という意見が多かった。東亜(トンア)日報がつけた経済理念の尺度で見ると、左寄りほど増税を、右寄りほど脱規制を強調した。いったい誰の対策が合っているのだろうか。

◆米ニューヨークタイムズのコラムニスト、ポール・クルーグマンは、富者増税、政府支出と福祉の拡大を強調する。クルーグマンは、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領が『進歩の未来』で何度も引用したノーベル経済学賞受賞者で、端的に言えば左寄りだ。このクルーグマンに、北欧の小さいが裕福な国、エストニアが「サイバー戦争」をしかけた。6月初め、クルーグマンは、今のような危機状況では、世界通貨基金(IMF)が言うとおりに緊縮財政をしては絶対にいけないと主張し、「エストニアを見ろ」とブログに書いた。自分の経済解決策を聞かなければ、こうなると言わんばかりだった。

◆半日も経たずして、エストニアのイルベス大統領は、「話にならないことを言っている」とツイッターで宣戦布告した。その後、ほぼ10分間隔で「財政健全性を守ることが間違っているのか」、「東欧の人はバカだと言うのか」と攻撃した。08年、世界的な金融危機の直撃弾を受け、成長が18%も墜落すると、エストニアは経済の立て直しを図った。公務員から賃金をカットし、12.5%の破格的な税率である法人税は維持し、規制はさらに緩和した。その結果は、昨年の成長率は7.6%となった。先端企業は人不足だ。クルーグマンの考えとは合わないが、右寄りの対策が正しいということが立証されたわけだ。

◆「それはそちらの話で…」とクルーグマンが反応するように、信念と理念が強すぎれば、理論も虚しく、現実も見えないことがある。クルーグマンのように、07年からエストニアの経済を見る場合、経済危機以後の12年の状況は、最高の好況期であった07年水準には及ばない。しかし、00年から見れば、回復を見せ、全体的に着実に上昇してきたことは明らかだ。韓国も、97年の通貨危機を脱規制と自由化で克服した経験がある。経済問題は成長親和的な政策で解き、貧困と二極化問題は社会政策で解決してはいけないのか。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com