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「中国の好みに合わせて」 中国販売の韓国映画が苦渋のシーン削除と再編集

「中国の好みに合わせて」 中国販売の韓国映画が苦渋のシーン削除と再編集

Posted July. 24, 2012 04:07,   

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「低開発共和国のチンピラ野郎。あれを見ろ。中国のやつらは1億600万人が大麻をやり、1100万人がヒロポンを打つ。国連がそう主張している」

元斌(ウォン・ビン)主演の映画「おじさん」(2010年)に出てくる、中国人を卑下する台詞だ。この台詞は昨年、中国で公開されたバージョンでは聞くことができない。配給会社が現地人を否定的に描写した5分間を、自主的に削除したからだ。

制作費110億ウォンをかけて制作した韓国映画「泥棒たち」(25日公開)も、中国市場を狙っている。任達華など中国人俳優3人をキャストし、マカオと香港で撮影した。この映画には、綱渡り専門泥棒「イエニコール」役の全智賢(チョン・ジヒョン)が、マカオのシティオブドリームリゾートホテルの壁のガラスを丸く切り取って侵入するシーンが出てくる。配給会社はマカオの象徴といわれているホテルの壁を傷つけるという設定が負担となり、このシーンを削除して輸出する予定だ。

近いうちに中国で公開される姜帝圭(カン・ジェギュ)監督の「マイウェー」は、中国人女優・范氷氷の出演分量を5分間増やした。韓国バージョンには、中国人狙撃主の范氷氷が短時間出ており、朝鮮青年・張東健(チャン・ドンゴン)を助けた後、息を引き取る。

このような事例は最近、韓国映画が中国市場に進出するための涙ぐましい努力を示している。制作会社各社は削除や編集の苦痛を甘受してでも、現地の「口」にあう映画の輸出のため、必死になっている。00年代半ば以降、低迷している韓国映画界にとって、中国は逃すことのできない黄金市場であるからだ。

映画振興委員会の資料によると、11年、中国のボックスオフィス規模は、計20億ドル(約2兆3000億ウォン)であり、米国(102億ドル)と日本(23億ドル)に次ぐ、世界3位となっている。11億ドルの韓国の2倍近くだ。大陸市場は目に見えて成長している。

共同制作も、現地市場の攻略に欠かせない一手となっている。中国は輸入本数制限(スクリーンクォータ)のため、年間上映される外国映画は500数本に過ぎない。そのうち、ハリウッド映画が80〜90%を占め、韓国映画の公開作品は数えられるほどだ。1998年の「結婚物語」(キム・ウィソク監督)以降昨年までの13年間、大陸で上映された韓国映画は、わずか28本。しかし、現地の映画会社と共同制作することになれば、中国映画に認められ、スクリーンクォータの制限を避けることができる。

00年、「飛天舞」が、中国ロケや現地人を参加させる形で共同制作を開始し、昨年までの韓中合弁映画29本が制作された。最近は、「黄海」(10年)、「好雨詩節」(09年)、「いいやつ、悪いやつ、変なやつ」(08年)などが、共同投資などの形で現地市場を突破した。

映振委のキム・スヒョン政策研究センター研究員は、「ハリウッドも中国市場攻略のため、合弁に積極的になっている」とし、「ドリームワークスは、上海メディアグループと提携し、中国への攻略に乗り出している」と述べた。

玄彬と湯唯主演の映画「晩秋」は、不法DVDを食い止め、成功した事例だ。制作・配給会社は昨年初頭、韓国で上映した「晩秋」のDVD発売をできる限り遅らせた。今年3月、現地での公開後、不法DVDが出回ったとき、中国当局や著作権委員会、映振委が力を合わせ、モニタリング事業を行った。「晩秋」は、中国で100億ウォン以上の収益を上げた。

CJE&Mのナム・ジョンウ海外投資制作チーム部長は、「最近は、『晩秋』のように、企画段階から中国を念頭においてキャストする事例もある」とし、「中国にターゲットを絞ったオーダーメイド映画も出ている」と話した。



bluedot@donga.com vivareport@donga.com