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[オピニオン]「北朝鮮に帰って、お前の役割をしろ」

[オピニオン]「北朝鮮に帰って、お前の役割をしろ」

Posted June. 30, 2012 07:55,   

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2010年に「真実・和解のための過去事整理委員会」(過去事委)は、75年に有罪判決を受けた「在日同胞留学生スパイ団事件」が捏造されたという結論を下した。この事件で死刑宣告を受けて服役し、釈放された康宗憲(カン・ジョンホン)氏は、無罪を主張して再審を請求した。康氏は、4・11総選挙で統合進歩党(統進党)比例代表18番の候補になった。28日に開かれた再審公判には、82年に釜山(プサン)の米国文化院防火事件で死刑宣告を受け、刑務所で康氏と親しかったキム・ヒョンジャン死刑囚が証人として出廷した。キム死刑囚は法廷で、康氏に向かって、「北朝鮮に帰って、お前の役割をしろ」と言った。

◆キム死刑囚は、4日付の東亜(トンア)日報のインタビューで、康氏は北朝鮮労働党指導委員であり、学生時代に北朝鮮で養成教育を受けた事実を本人から直接聞いたと明らかにした。「1審では、法廷を宣伝の場に活用しようと事実を認めたが、2審では戦略を変えて拷問による嘘の証言だったと主張した」という康氏の獄中告白も伝えた。キム死刑囚の証言は、非常に具体的な情況を含んでいる。再審は、強引な捜査だったのかどうか、そして康氏の疑問だらけの行動について、綿密に検証しなければならない。

◆過去事委や民主化運動補償審議委員会は、独裁政権に抵抗して被害を受けた人々の名誉回復と補償のために設置された。しかし、当初の趣旨とは違って、従北勢力に免罪符を与え、国民の血税で補償金を与えるケースが少なくない。地下組織「旺戴山(ワンジェサン)」を作り、北朝鮮に軍事情報を流したスパイや、裁判所が「国家変乱を目的とした反国家団体」と規定した民主革命党の関係者を民主化有功者と認定し、「赤」を取り払った。このように「民主闘士」に変貌した彼らの多くが、司法府に再審を申請し、「過去の洗濯」を図っている。

◆第19代国会に進出した統進党議員の半数近くが従北疑惑を受けている。統進党の主流派に北朝鮮追従者が多いことは、まさに彼らが80年代に主体思想派と接していたためだ。独裁政権時代には、従北と民主化運動が入り混じっていたが、民主化後は見分けが容易になった。独裁政権時代の国家保安法違反事件の中には、誇張されたり捏造されたものもあったが、本当のスパイ事件も多かった。司法府の判断が限時的で設置された政府付属の委員会の決定に束縛されることがあってはならない。

李亨三(イ・ヒョンサム)論説委員hans@donga.com