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[社説]「兄弟政治」の災い、歴史の教訓とするべきだ

[社説]「兄弟政治」の災い、歴史の教訓とするべきだ

Posted June. 30, 2012 07:55,   

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李明博(イ・ミョンバク)大統領の実兄の李相得(イ・サンドク)元セヌリ党議員が、来月3日に検察の取り調べを受ける。林錫(イム・ソク)ソロモン貯蓄銀行会長(拘束起訴)から08年から10年にかけて数億ウォンの不法資金を受け取った容疑のためだ。未来貯蓄銀行とコーロン側からも不法資金を受け取ったことも明らかになった。検察は取り調べの後、李元議員に対して拘束令状を請求する方針だという。これまで李元議員に疑惑が浮上した時は書面での事情聴取だけで、検察に呼び出されるのは初めて。「林錫ゲート」捜査の焦点が李元議員に向けられている。

李元議員は私的な席で、「明博は明博、私は私だ」とよく言っていた。権力の「鉄則」を直視しない発言だった。李元議員が単に大統領の兄であっても、周囲に「火取虫」が飛び交ったことだろう。李元議員は、李明博政権を生み出した一等功臣だ。「王次官」の朴永俊(パク・ヨンジュン)氏の国政壟断の背後に李元議員の影がちらついた。そのため、大統領の兄を通せば事が進むという「万事兄通」が流行語になった。

東亜(トンア)日報はこれまで李元議員に、「兄弟政治」を終息させるために、第18代国会議員総選挙に出馬しないことを注文した。李大統領に対しても、兄の影から抜け出すことを注文したが、通じなかった。「兄弟政治」から林錫ゲートの悲劇は早期に芽生えていたのだ。

歴代政権でも、大統領の親戚の不正は例年行事のように繰り返された。全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)元大統領は、秘密資金事件で拘束され、親戚と側近が次々に刑務所に送られた。金泳三(キム・ヨンサム)、金大中(キム・デジュン)元大統領は、息子の国政壟断で国民の非難を受けた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領も、実兄の盧建平(ノ・ゴンピョン)氏の不法資金授受事件で道徳性が失墜した。李元議員関連不正事件は、李政府の道徳性破綻に頂点である。李大統領は何度も「この政権では親戚の不正はない」と豪語したが、結局は空手形だった。検察の捜査で李元議員の不正が確認されれば、大韓民国の政治史に恥ずべきネポティズム(nepotism・縁戚政治)の1ページとして記録されることだろう。

検察はこの機に徹底した捜査を通じて、李大統領の周辺人物に免罪符を与えるという「洗礼検察」の汚名をそそがなければならない。李元議員のほかにも、民主統合党の朴智元(パク・チウォン)院内代表や鄭斗彦(チョン・ドゥオン)セヌリ党議員の名前も捜査線上にあがっているという。2人とも疑惑を強く否定しているが、検察は例外なく厳正に捜査し、すべての疑惑を暴かなければならない。