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[オピニオン」「親の顔が見たい」

Posted June. 29, 2012 07:35,   

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戯曲『親の顔が見たい』を見ると、心穏やかでなくなる。神市(シンシ)カンパニーが演じたこの戯曲は、ソウル江南(カンナム)のある女子中学校で「いじめ」に苦しんだ生徒が自殺した後、遺書で名指しされた5人の加害生徒の親のエゴを赤裸々に描き出す。学校の会議室に集められた親たちは、自殺生徒の遺書を焼いて飲み込み、証拠をなくそうとする。舞台に登場しない加害生徒は、罪悪感どころかお腹がすいたと不平を言い、自殺生徒の葬式に何を着て行くか悩む。「モンスターチルドレン」を生み出すのは、まさに「モンスターピアレント」であるというメッセージに背筋が凍る。

◆戯曲の原作者は、日本の高校教師で劇作家の畑澤聖悟氏。06年に福岡県で起こった中学2年の男子生徒のいじめ自殺をきっかけに脚本を書いた。08年に日本で公演され、多くの観客を動員した。「いじめ」の発祥は日本だ。異質な存在を徹底的に排除することで共同体の同質性を維持しようとする独特の文化が由来だ。畑澤氏は、「加害者が被害者に対して責任を感じない現実を告発したかった」と話した。戯曲は、加害者と被害者の葛藤を癒す触媒になる。

◆京畿道加平(キョンギド・カピョン)のA中学校でいじめにあった障害のある生徒が発作で苦しんでいる動画を家族が公開した。小さくやせた少年が、口が麻痺し、苦痛でもがき、ベッドに倒れる。被害者家族は、加害生徒と親が反省しないため、動画を公開したという。生徒の父親は、「わらをもつかむ思いで、息子が苦しむ姿を公開した」と打ち明けた。

◆昨年、大邱(テグ)で起きた中学生のいじめ自殺を機に、政府は今年2月、加害生徒の学校暴力の事実を学校の生活記録簿に記載する内容を盛り込んだ対策を発表した。A中学校もこのマニュアルによって暴力対策自治委員会を開き、加害生徒に懲戒を下した。しかし、一部の親は、進学に影響を与える生徒部記録簿だけは受け入れられないと抵抗している。ある親は、「子どもの将来の夢である外交官になるのに問題になる」と話した。加害者の真の反省は親の態度に現れる。子どもへの愛という名で人間の本性の醜さを表わす「親の顔」は、結局は「自分の顔」であることを悟らせる。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com