世界経済に再び「リセッション」恐怖広がる
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JUNE 23, 2012 06:53.
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米国や中国、欧州など、主要国景気指標が軒並み不安な様子を示し、グローバル経済が再びリセッション(recession=景気低迷)の恐怖に慄いている。特にユーロ圏の支えとなってきたドイツの製造業景気が、3年ぶりの最悪レベルに下落し、ユーロ圏は、第2四半期(4〜6月)はマイナス成長に転じるだろうという見方が出ている。そんな中、国際格付け会社・ムーディーズが、世界の大手銀行15行の格下げに一斉に踏み切り、不安を増幅させている。
市場の不安を反映するかのように、ニューヨーク証券市場は21日、今年に入って2度目の大幅な下げ幅を記録し、原油価格や金価格も、数ヵ月ぶりに最大幅の急落振りを見せた。
米連邦準備制度理事会(FRB)が20日、今年の米経済成長率の予測値を、前より0.5%ポイントという割合大幅に引き下げた翌日に出た各種の景気指標は、米国の成長エンジンが冷えつつあることを確実に示している。
フィラデルフィア連邦銀行が発表した米北東部地域の製造業指数はマイナス16.6と、10ヵ月ぶりの最低値を記録した。さらに、米労働部が発表したこの4週間の平均失業手当の申し込み件数は、昨年9月以降最高値を記録したという悪材料が伝わった。
一方、全米不動産協会(NAR)は今年5月、既存住宅の価格が1.5%値下がりしたと発表した。この全ての悪材料が1日で出たことを受け、ニューヨーク証券市場は21日、前日より1.96%下がり、スタンだードアンドプアーズ(S&P)500指数とナスダック指数も、2%以上下落した。プラチナパートナースのウリランデスモン会長は、「中国の経済成長が問われている中、回復の兆しを見せていた米経済まで減速していることが確認されつつある」と語った。
中国製造業景気も、なかなか持ち直す兆しを見せずにいる。20日に発表された中国HSBC製造購買管理者指数は48.1と、8ヵ月連続して基準点の50を下回った。50を越えなければ、製造業景気が萎縮しているという意味であり、中国の経済成長の勢いが硬着陸するかもしれないという懸念が出ている。実際、国際通貨基金(IMF)のニコラス・エイザギア局長は、チリのサンチアゴフォーラムで、「中国経済の危険は短期間で終わらないはずであり、グローバル経済は緊張しなければならない」と警告した。
米景気指標に劣らぬほど、国際金融市場をさらに驚かせたのは、ドイツの経済指標だった。21日発表されたドイツの6月の製造業指数は44.7と、この3年間で最も低いレベルへと下がった。さらに、6月の投資信頼度すら5ヵ月ぶりにマイナスへと転じ、ドイツの今後の6ヵ月間の景気予測を現す6月の欧州経済研究センター(ZEW)の投資信頼指数も、マイナス16.9を記録した。ユーロ圏財政危機諸国の資金源の役割を果たしてきたドイツ経済に、暗雲が立ち込め、ユーロ圏全体にも悪影響を及ぼしている。
フィナンシャルタイムズは第1四半期にプラス成長を記録したユーロ圏は、第2四半期は0.6%のマイナス成長を記録するだろうと、専門分析機関「マルケット」の資料を引用して報じた。
米国や中国、欧州の3大経済圏が一斉に危険な様子を見せると、原材料価格は軒並み急落した。成長減速で需要が減ることが予想され、ニューヨーク証券取引所(NYMEX)での8月引き渡し分のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は同日、4.0%急落の1バレル=78.20ドルを記録し、昨年8月以降、8ヵ月ぶりに1バレル=80ドルへと下がった。8月引き渡し分の金価格も3.1%も急落した。景気減速で、原油などの原材料の需要が減るものと見られ、価格が大幅に値下がりしたのだ。
総合株価指数(コスピ)も急落し、1850ポイントを割り込んだ。欧州経済危機が収まっていない中、世界経済の支えと信じられてきた「G2(米国と中国)」の経済指標すら軒並み低迷し、投資心理が冷え込んでいる。コスピは22日、前日より41.76ポイント(2.21%)安の1847.39で取引を終えた。外国人投資家らが5取引日ぶりに「売り」に転じ、機関投資家らまで売りに加わり、下げ幅が膨らんだ。
さらに、ムーディーズがユーロ圏のリスクに露出されているという理由から、世界の大手銀行15行の格下げに踏み切ったことで、国際金融市場を混乱に追い込んだ。格下げられた銀行は、アメリカ銀行やシティグループ、ゴールドマンサックス、JPモルガンチェイス、モルガンスタンレーの米大手銀行5行を含め、カナダ王立銀行やドイツ銀行、BNPパリバ、クレディスイスなど、欧州銀行9行が含まれている。ムーディーズは、欧州の財政危機などにより、これらの銀行の長期的収益性や成長性が下がっている上、グローバル規制も強化されており、格下げに踏み切ったとし、これらの銀行は資金調達の困難に直面しかねないと警告した。また、多くの銀行の予測を、否定的に示し、今後の追加格下げの可能性を持たせている。