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韓中の未来を担う「子どもの交流」、分かり合う「好朋友」への第一歩に

韓中の未来を担う「子どもの交流」、分かり合う「好朋友」への第一歩に

Posted June. 16, 2012 07:53,   

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中国浙江省杭州市の西子湖小学校では、特別な「韓中交流」があった。全羅南道宝城郡(チョルラナムド・ポソングン)の宝城小学校の4年生から6年生の40人が、中国の生徒たちと一緒に音楽、美術、体育の授業を受けた。9日には、人工湖の西湖を一緒に見学し、茶博物館で茶道体験をした。このプログラムは、全南道教育庁と中国浙江省が教育協力事業の拡大に向け、今年初めて実施した事業だ。今年の秋には、中国の西子湖小学校の生徒たちが宝城小学校を訪問する。

生徒を引率した宝城小学校のチョン・ギョンホ先生は、「初めて会った時はよそよそしかった子どもたちが、2日ぐらい経つと、一度握った手を離さないほど仲良くなった。韓中交流の未来がうかがえ、感動した」と話した。「ホームステイ」で滞在した3泊4日の日程を終え、チョン先生は、「このように結ばれた縁が『好朋友(親しい友人)』に発展することを心から祈る」と話した。

韓国と中国が緊密なパートナー関係を形成するには、小・中学生の交流を活発にしなければならないと専門家は口をそろえる。これまでの韓中交流は、経済活動人口を中心とした利害関係に焦点が合わされていた。今や成年の年齢である国交正常化20周年を迎え、歴史と文化を理解する長期的な視点を持つ時になったということだ。中国を理解する「チャイナ・キッズ」、韓国を理解する「コリア・キッズ」の育成は、両国の未来協力関係を強化する長期的な代案として重要だ。

●「韓中キッズ」交流プログラムは始まったばかり

国交正常化20周年になったが、小・中学生の交流プログラムは指で数えることができる程度だ。

教育科学技術部付属の東北亜歴史財団は、08年から毎年夏に4泊5日の日程で中国の中・高校生約20人を招待する「中国青少年招待歴史体験」を行っている。毎年、中国の2つの省から推薦を受けた生徒が来韓する。

市民団体「アジア平和と歴史教育連帯」(アジア歴史連帯)は、今年で10回目を迎えた「韓中日青少年歴史体験キャンプ」を実施し、各国から中・高校生約40人が参加する。中央省庁の女性家族部が行っている「国家間青少年交流事業」や「韓中青少年特別交流」事業は、交流人員が40人と500人にのぼるが、20歳以上の成人の比重が大きい。

アジア歴史連帯のチェ・インヨン部長は、「歴史キャンプに参加した中・高校生は、国家間の問題を話し合い、『今からでももっと勉強して理解し合おう』という姿勢で臨んでいる」とし、「このような姿を見る度に、未来世代の主役である小・中学生の交流プログラムの拡大の必要性を痛感する」と語った。

子どもたちの往来だけでなく、子どもを教える教師の交流も必要だ。教育科学技術部と中国教育部は、国交正常化20周年を迎え、韓中の生徒の文化理解の向上と言語教育のために、今年初めて相手国に教師を派遣するプログラムを設けた。中国は、今年200人の中国語教師を派遣することを決め、4月に一次隊として140人の教師を派遣した。彼らは現在、全国の小・中・高校に配置され、中国語を教えている。9月にはさらに60人が来韓する。韓国は9月に43人を山東省と黒竜江省に派遣する予定だ。しかし、両国間の教師交換派遣プログラムは、2015年まで一時的に実施される。

●未来への投資、交流担当部署が必要

「民間で韓中の小・中学生交流プログラムが活性化しない原因の一つは、体制が違うために協力パートナーを探すことが容易でないためだ。韓国と日本の場合、歴史問題で対立はあるものの、日本には韓国側と考えを共にする市民活動家が多く、相対的に交流が容易だ。

このために、「チャイナ・キッズ」、「コリア・キッズ」育成のための韓中交流には、政府の支援が重要だと指摘されている。特に、交流拡大のためには、政府や教育庁などに中国との交流を支援する専門部署や奨学官を置くことが必要だ。例えば、実際に交流事業を進めるには、韓中文化を紹介するパンフレットの製作や参加者に対する基本的な教養教育などが必要だが、これを個別教師の力量に任せることに無理があると専門家らは指摘する。

財源不足で、小・中・高交流プログラムを中止した経験がある張俊河(チャン・ジュンハ)記念事業会の李鉂栄(イ・ジュンヨン)常任運営委員は、「韓国と中国の子どもたちが友人として交流できる機会を作ることは、『未来への投資』という点で、国家や社会が支援しなければならない」と話した。

韓中交流が成果を出すには、歴史認識の教育に神経を使う必要があるという意見も提起された。延世(ヨンセ)大学国学研究院の辛珠柏(シン・ジュベク)教授は、「韓中日3国は、地政学的に過去だけでなく未来においても緊密な関係を維持せざるを得ない運命だ。互いに円滑に付き合うには、韓中日の歴史に対する自分の観点を柔軟に解釈できる能力が必要だ」と強調した。