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[社説]庶民の仕事を奪う大型マートへの営業規制

[社説]庶民の仕事を奪う大型マートへの営業規制

Posted June. 13, 2012 05:57,   

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ロッテマートソウル駅店は明洞(ミョンドン)や南大門(ナムデムン)市場の近くに位置し、日本人や中国人観光客が買い物によく訪れる。中国人は生活用品や薬用ヨモギなど漢方用品を好み、日本人は海苔、キムチやスナック類をたくさん買って、ここの売り上げの12%は外国人観光客が上げている。お買い物品をすぐ本国の家まで送る「特送サービス」も提供している。しかし、今月10日、大型マートの義務休業日(毎月2、4週目の日曜日)を知らずに、この店舗を訪れた外国人観光客はがっかりして、踵を返すしかなかった。

ロッテマートは、「今月末、満56〜60歳のシニア社員400人を無期契約職で採用することにしたが、延期した」と発表した。大型マートへの営業規制で、売り上げが減少し、既存の労力も減らすところにシルバー採用は難しいという理由だ。ロッテマートは今年上半期に400人ずつ2回、下半期に200人など、シルバー労力1000人を採用する計画だったが、2、3次の600人の採用が不透明になったわけだ。これに先立って、1次で400人を採用する時に、大企業役員出身、博士号取得者らが志願して「第2の就業」がどれほど厳しいかを浮き彫りにした。

営業規制が本格施行された3月末以後、2ヵ月ぶりに「大型マートビック3」のイーマート、ホームプラス、ロッテマートの勤務人員がそれぞれ839人、1607人、610人が減って、3000個以上の雇用が消えた。仕事を失ったのは、パートタイマー、週末アルバイター、協力企業の販売促進に携わる社員など、主に就業弱者だ。マートへの営業規制に乗り出す自治体が増えているため、雇用の減少はこれからも続く見通しだ。大型マートに入店して商売する食堂、衣服店、眼鏡屋、美容室、薬局など、中小自営業者も売り上げが減少する被害に遭っている。

営業規制による大型マートや納品業者、農民・漁民の売り上げ損失はきちんと集計されているが、近くの青空市場が得ている反射利益は、どれほどなのかはっきりしない。しかし、お買い物が不便になり、取引費用が高くなっている中で、全体取引量が増えるわけがない。ただでさえ、欧州経済危機の長期化が懸念されて、上位中間層の消費者が財布の紐を締めて消費が萎縮している。内需てこ入れが必要な状況で、消費減少の要因に働いている。

大型マートへの営業規制の主要政策目標は零細商圏の保護だ。自由競争を制限してでも経済的弱者を保護するということだ。しかし、政策で庶民の消費者は抜けている。多様で質の良い商品を安く売るのが庶民の保護だ。消費萎縮で景気が悪化すると、最も大きな被害を受けるのも庶民である。大型マートへの営業規制は、市場にやさしい流通および物流革命を通じた物価安定と取引の活性化、消費者厚生を害している。