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中国に迫られる韓国IT、10年前の日本メーカーの二の舞

中国に迫られる韓国IT、10年前の日本メーカーの二の舞

Posted June. 01, 2012 07:11,   

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最近、ソニーやパナソニック、NECなど、日本を代表する電子メーカー各社が、史上最悪の赤字を出すと、日本の各メディアは、「日本の電子業界が三星(サムスン)電子など、韓国企業に世界市場を取られ、『全て崩壊』した」という内容の記事を次々と掲載している。10年前までは、韓国企業を一目下とみなし、油断した末、没落の道を辿るようになったという。

電子情報技術(IT)会社のうち、売上高基準で世界トップの座についている三星電子は、日本の大手電子メーカー各社の純益全体を合計したものより、さらに多くの利益を上げている。しかし、祝杯を挙げるのはまだ早い。韓国電子業界では、10年前の日本の姿を思い浮かべる警告音が鳴っている。中国のためだ。

●中国を知らな過ぎる韓国、10年前の日本にそっくり

00年代初頭まで、日本の各企業は、三星やLGなど、韓国企業による追い上げに、「技術力の遅れている韓国は、低価格製品では競争力を持っているが、我々に追いつくことなどできない」と、ほとんど気にしなかった。

日本がうぬぼれている間、国内企業各社は、液晶表示装置(LCD)のような新技術に注目し、新製品を次々と発売し、市場を我が物にしていった。結局、三星電子は06年、ソニーを抜き、世界テレビ市場でトップの座につき、最近はフィンランドのノキアも追い抜き、携帯電話でも世界トップの座についている。

中国に対する国内の見方は、10年前の我々を眺めていた日本の見方と酷似している。「中国は技術力の面では、韓国よりはるかに遅れており、コピーして安価に売ることにばかり気を取られている」という見方が主流を成している。

しかし中国はすでにIT先進国の仲間入りを果たしつつある。最近、国内モバイル通信会社各社が設置した第4世代ロングタームエボリューション(LTE)通信施設には、中国ファーウェイの装備が多く搭載された。最先端のコア装備すら、中国メーカーに明け渡している。

昨年、中国のIT生産額は、10年(4898億ドル)より6.7%増の5227億ドルと、世界シェアの29%を占め、圧倒的なトップだった。韓国(1258億ドル)の4倍近いレベルだ。

質的にも、先進諸国の留学派が大勢帰国し、研究開発(R&D)の力を地道に蓄積してきた。中国は、スーパーコンピューター部門では10年、米国を抜き、世界トップに躍り出た。通信装備部門のファーウェイ、PC部門のレノボは、世界市場で首位を争っている。「物事のインターネット(Internet of Things=自動車や家電など、あらゆる製品にアドレスをいれ、インターネットにつなげる技術)」のような最先端分野も、早いテンポでトップの座に挑戦している。

中国国内での市場規模も、世界の最高レベルだ。昨年、中国のインターネットユーザーは計4億8500万人と、世界トップだった。昨年1年間、中国で販売された携帯電話も、計4億4300万台と、世界トップとなっている。

「ウェブ2.0の経済学」や「スマートワーク」などを記したエディトイのキム・グクヒョン代表は、「韓国電子業界が日本を追い抜いたのは、適時の投資や優秀な人材らが精魂をこめて、努力してきたためだ」とし、「問題は今、中国は韓国より、より多い人材が、より切実な意志を持っている上、政府や企業の資金力も圧倒的に大きい」と指摘した。

●国策研究機関、遅ればせながら中国IT専門家を採用

国内IT政策分野の代表的研究機関である情報通信政策研究院(KISDI)は最近、中国社会科学院博士出身の研究院1人を選抜した。KISDIが中国の専門家を採用したのは今回が初めてのこと。これまでは、国内や米国出身の博士が大半を占めていた。国内で、中国の電子IT産業をしっかり理解している専門家や、人的・物的ネットワークを保有している専門家が、どれほど足りないのかを、はっきり示す事例となっている。

中国は、ITサービス分野でも、他の国とは完全に異なる「ゲームの法則」が適用されるところだ。政府や党が、全てのことを管理している中、グーグルやアップル、アマゾンなどのグローバルIT企業も、中国政府の方針に合わせ、グローバルスタンダートとは異なるアプローチの仕方を取っている。フェイスブックは、中国ではサービスすら開始できずにいる。うかつに中国に進出した多くの韓国電子IT企業各社も、失敗したり、容易に定着できずにいる。

韓国電子IT業界は、中国との技術力競争で勝たなければならない一方、世界最大市場の中国について、徹底的に理解し、ネットワークを活用しなければならないという課題も抱えている。KISDIのキム・ドンウク院長は、「KISDIから、中国企業や学校、政府のIT関連エリートらとの交流を増やし、中国専門家の採用を、先頭に立って増やしていく」と明らかにした。



jaeyuna@donga.com kyu@donga.com