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国連人権委の作業部会、申淑子さん母娘の即時解放と賠償を要求

国連人権委の作業部会、申淑子さん母娘の即時解放と賠償を要求

Posted May. 30, 2012 08:54,   

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「統営(トンヨン)の娘」申淑子(シン・スクチャ)さんと2人の娘、呉恵媛(オ・ヘウォン)、圭媛(ギュウォン)さんは、自分たちの意思に反して、北朝鮮に拘束されている状態にあると、国連人権理事会の「恣意的拘禁に関する作業部会」が結論を下した。作業部会はこれを基に、北朝鮮に申さん母娘の即時解放と適切な賠償を求めた。国連が北朝鮮の強制拘禁による人権侵害を公式に認めたのは初めてだ。

北朝鮮反人道犯罪撤廃国際連帯(ICNK)は29日、ソウル中区(チュンク)の韓国プレスセンターで、申さんの夫の呉吉男(オ・ギルナム)さんとともに記者会見を行い、国連人権理事会の作業部会から送られた決定文を公開した。同決定文は、「1987年以降、申淑子、呉恵媛、圭媛さんに対する拘禁は恣意的なもので、現在も同様に続いている」とし、「これは世界人権宣言第8〜11条と市民的・政治的権利に関する国際規約第9、14条に違反する」と明らかにした。さらに、「北朝鮮政府がこの状況を解決する必要な措置、すなわち即時解放と適切な賠償を要請する」と付け加えた。

ICNKを率いてきた河泰慶(ハ・テギョン)国会議員当選者は、「国連が北朝鮮の強制拘禁の事実を確認したことは前例がない」とし、「過去になかった今回の決定は、国連として問題解決への強い意志を示したものだ」と評価した。作業部会は、93年にも同事案に関する呉さんの陳情を受け付けたが、95年に「事実関係が十分に確認されておらず、結論を下すことは難しい」と通知した。北朝鮮は当時、申さんが看護師として働く病院と2人の娘の学校の住所を国連に送り、強制拘禁を否定した。しかし、その後、燿徳(ヨドク)収容所から逃げ出した脱北者が、93〜95年に申さん母娘を収容所内で見たと証言した。

ICNKは、今回の決定を基に、△申さんの死を放置した容疑で国際刑事裁判所(ICC)に北朝鮮を提訴し、△申さん母娘の送還のための対策委員会を発足し、△彼らが北朝鮮に入る前に滞在していたドイツ政府に、協力を要請する請願書を送り、△8月から3ヵ月間、ニューヨークやジュネーブなど主要都市の北朝鮮代表部の前でデモを行う計画だ。特に、生存が確認されている恵媛、圭媛さんの迅速な送還に向け、国際社会の関心を呼び起こしていく方針だ。北

北朝鮮拉致被害者家族会の崔成竜(チェ・ソンヨン)代表は、「申さんの2人の娘が平壌(ピョンヤン)近くで、ほぼ監禁状態にあるという情報を入手した」とし、「(日本人拉致被害者)めぐみさんの娘のウンギョンさんとともに、当局の厳しい監視を受けていると聞いた」と伝えた。

政府も対策を模索している。これまで政府は、「呉さんの個人的な陳述であるため、そのほかの拉致被害者事件との公平性の問題も考慮しなければならない」として、公式の対応を控えてきたが、国連の決定によって、政府として動く根拠ができ、積極的に解決策を模索する方針だ。

外交通商部の当局者は、「国連が北朝鮮の強制拘禁の事実を認め、政府としても問題解決に乗り出さなければならない理由ができた」とし、「北朝鮮に残されている2人の娘の送還問題を、国連をはじめ国際社会に訴え、様々な追加措置を求めていく」と述べた。



lightee@donga.com