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複数論文に同じ写真掲載、国際学術誌がソウル大教授の幹細胞論文掲載を撤回

複数論文に同じ写真掲載、国際学術誌がソウル大教授の幹細胞論文掲載を撤回

Posted May. 29, 2012 07:57,   

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ソウル大学幹細胞研究陣が国際学術誌に掲載した論文が写真の重複掲載によって撤回される騒ぎが起きた。

細胞の信号伝達体系を扱う米国の「坑酸化および酸化還元信号伝達(ARS)」誌は、ソウル大学獣医学部のカン・スギョン教授が今年、同学術誌に掲載した4本の論文を今月にすべて撤回していたことが、28日までに確認された。カン教授は、教育科学技術部が主導する21世紀フロンティア細胞応用研究事業団に属し、幹細胞研究で成果を出して注目を集めていた研究者だ。

ある匿名の情報提供者は今月8日、「ARS」誌など10種の国際学術誌の編集委員に、カン教授が責任著者の論文の重複掲載疑惑を提起した英文の電子メールを送った。責任著者とは、研究全体の責任を負う著者を意味する。同情報提供者は、06年から12年にかけてカン教授が責任著者として発表した論文14本に対する疑惑を70ページのスライド資料にまとめた。そして、各論文に含まれた一部の写真が、別の論文で掲載された写真を使用したと主張した。つまり、いくつかの論文に同じ写真を重複掲載したということだ。

その後、ARS編集陣は、カン教授に説明を要請し、疑惑が提起された論文4本を撤回した。現在、「単純な誤り」なのか「故意」なのかを判断するための調査が行われている。

これに対してカン教授は、「新しい研究結果を論文にして発表する過程で、意図しなかったミスがあった」とし、「再実験を行い、明確な研究結果を出したい」と話した。

今回の問題が国内に知らされることになった背景には、05年、黄禹錫(ファン・ウソク)博士チームの論文捏造を指摘した「生物学研究情報センター(BRIC=ブリック)」がある。生命科学分野の研究者が研究情報を交換するブリックに、カン教授に対する国際学術誌の論文撤回が伝えられると、話題となって一気に火がついた。

ソウル大学は、ARS編集陣の最終判断によって、研究真実性委員会を招集する予定だと明らかにした。韓国幹細胞学会も29日、学会の公式立場を発表する計画だ。



ilju2@donga.com