Go to contents

米国にだけ目を向けた韓国、EUに不意打ち イラン原油輸入停止に

米国にだけ目を向けた韓国、EUに不意打ち イラン原油輸入停止に

Posted May. 28, 2012 07:37,   

한국어

米国が早ければ今週発表する国防授権法(イラン産原油の禁輸などを規定したイラン制裁法)適用の例外国家リストに韓国が含まれることが分かった。イラン産原油輸入の停止による被害を防ぐために、米国と集中的に交渉してきた政府の努力が実を結んだのだ。

しかし、このような成果にもかかわらず、イラン産原油は今月末から事実上、輸入が停止になる。欧州連合(EU)の「イラン産原油輸送船舶の再保険制裁」を避けることができなかったためだ。政府が米国だけに目を向け、EUの再保険制裁という「伏兵」に不意打ちをくらったという指摘を受けている。

EU外相理事会が7月からのイラン制裁案を出したのは今年1月23日。その1週間前の16日、米国務省のアインホーン調整官(北朝鮮とイラン制裁担当)が訪韓し、韓国のイラン制裁の参加要請に関心が集中していた時だった。EUの制裁案には、イラン産原油を輸送する船舶に対して再保険を提供することを禁じる内容が含まれていた。

原油輸送船舶は、事故が発生すれば被害規模が莫大であるため、再保険に入らなければ事実上、運航は不可能だ。座礁による船舶と原油の損害賠償の規模も大きいが、原油流出による環境汚染や人命被害まで考慮すると、1隻当たりの賠償規模は1兆ウォンを超える。このため、多くの国家は保険に加入していない原油輸送船舶の入港を禁止している。

問題は、原油輸送船舶の再保険を提供できる世界的な保険会社のほとんどがEU域内になるという点だ。EUが、世界的な保険会社にイラン産石油輸送船舶の再保険を提供することを禁止すれば、韓国精油業界のイラン産石油輸送も停止にならざるを得ない。イラン産原油輸送にかかる40日間の期間を逆算して計算すれば、5月末から船積み停止になる。

知識経済部と企画財政部、外交通商部の実務者は、これまで米国だけでなくEUの制裁も注目してきたと主張する。外交部当局者は、「1月のEU外相理事会の会議内容と3月の制裁案の具体的な履行規定を検討し、日本と共にEUに適用例外を要請するなど、必要な措置を取ってきた」と説明した。

しかし、政府は3月にEUの制裁履行規定が出るまで、この問題が韓国にまで波紋を及ぼし得るとはさほど考えていなかったという。政府当局者は、「韓国は2月まで、米国の問題さえ解決すればいいと考えていた」。「(後になって深刻さを自覚し)EU制裁のことをメディアに公表せず、対策を模索してきた」と伝えた。大統領府関係者も今月初めまで、「(米国の国防授権法の例外適用で)すべて解決された」と話していた。

政府は、EU本部があるブリュッセルと主要加盟国に交渉チームを派遣し、説得する計画だ。しかし、終盤の対策づくりで省庁間の調整も十分に行われなかった。ある当局者は、「国内で自主的に再保険の一部を負担したり、日本など同じ事情の国と協力して代案を模索することもできるが、各省庁が一致せず、あれもだめ、これもだめといった具合に責任を押しつけ合っている」と吐露した。



lightee@donga.com