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[オピニオン]兄妹の寂しい再会

Posted May. 28, 2012 07:37,   

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51年ぶりに再会した兄妹は当惑した様子だった。「失踪児童の日」の25日、ソウル永登浦区(ヨンドゥンポク)にある遺伝子研究所には、兄(56)と妹(52)がぎこちない様子で座っていた。「家族関係」を確認する遺伝子検査の結果を見て、2人は言葉なくうなずいた。半世紀の間を捜していた兄妹なのかと思った。両親が生まれたばかりの娘を孤児院に送ったため離ればなれになった。兄は、「数日前、妹が1000万ウォン貸してほしいと言ってきたが、私もチキン店の配達で生活している立場なので、断らざるを得なかった」と話した。妹は、「ずっと冷や飯を食べてきた。実の兄に頼りたかった」と話した。辛い再会は、新たな傷の始まりだった。

◆同日、研究所には、検査結果を確認しに来ない姉を7時間待つ養子縁組のキムさん(25)もいた。オランダで育ったキムさんが家族を捜しに韓国にきたのは今回が3度目。韓国語で話がしたいと思い、昨年、国内の名門私立大学に留学までした。警察の助けを借りて約200世帯を調べ、姉と推定される人を捜し出し、何度もお願いして遺伝子検査にこぎつけた。「実の姉に間違いない」という夢のような通知を受けても、キムさんはついに姉に会うことができなかった。キムさんの姉は記者に、「両親は絶対に娘を養子縁組に出したことがないと言っている。受け入れられない」と困っていた。

◆映画「建築学概論」の上映後、初恋の人を捜すスマートフォンのアプリケーション加入者が1日1万人増えている。生みの親を知らずに育った人がルーツを探したいという思いはいかばかりか。しかし、食い違った縁をつなぐ旅程は、それほどロマンチックではない。95年から10年間、約7万6000人の海外養子縁組者が実の父母を捜して韓国に来たが、出会えたのは2.7%(2113人)にすぎない。

◆韓国の両親に2度捨てられたキムさんを慰めたのは、オランダの養父母だった。キムさんは、養父母とともに、全羅道(チョンラド)のある山寺でテムプルステイをしている。韓国系養子でフランス政府の長官になったフルール・ペルラン氏は、「韓国の家族を捜したいと思ったことはない。いつも私を愛してくれたフランスの家族が本当の家族だ」と述べた。成功した養子を韓国系だと誇りに思う根拠はどこにあるのか。G20サミットを開催した韓国は、昨年も916人の子供を「輸出」した。

シン・グァンヨン社会部記者 neo@donga.com