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「オピニオン」中国の傲慢な小国論

Posted May. 18, 2012 04:04,   

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中国の戴秉国外交担当国務委員は15日、フィリピンを「小国」と名指した。戴委員は、中国人民対外友好協会の演説で、「(中国は)小国や貧困国に対し、傲慢に振舞ってはならず、大国や富裕国に対しても、傲慢ではならない」と言いながら、問題の発言を始めた。氏は、「謙遜や慎重さが、他の国から見くびられてもかまわないという意味では決してない」とし、「小国も大国を見くびってはならない。フィリピンのように…」という言葉を付け加えた。フィリピン国民にとっては、「小国・フィリピンは、大国・中国にたてつくな」という脅しのように聞こえただろう。

◆戴委員は、中国外交の実務司令塔だ。ハンガリー大使や外交部次官補、次官、共産党対外連絡部長を経て、08年、全国人民代表大会で、副首相級の外交担当国務委員に選ばれた。遠まわしの曖昧な表現を好む社交辞令に慣れている氏の口から、ほかの国を見くびる発言が出ており、尋常でない気がする。中国人だけで集まった席では、気兼ねなく本音をかわしたかもしれない。中国メディアも、小国論を取り上げている。環球時報は、「フィリピンのような小国とマンツーマンで立ち向かうな。大国の度量を持つべきだ」という記事を掲載し、官民を歩調を合わせている。

◆中国は目下、フィリピンと領有権を巡って戦っている。先月8日、フィリピン軍艦が南シナ海のパナタグ浅瀬(中国名=黃岩島)で、操業中の中国漁船8隻をだ捕しようとしたところ、中国の哨戒艦が出動し、対立した。中国外交部の傅莹副部長は、在中フィリピン代理大使を呼んで、「戦争も辞さない」と警告した。中国人のフィリピン旅行も中止となった。紛争地域は、フィリピンから230キロ、中国から1000キロ離れている。フィリピンは、中国が自国の領土に目をつけていると躍起になっている。

◆中国は、覇権を追求しないと強調しているが、領土紛争が起きると、態度ががらりと変わる。胡錦濤国家主席は4日前、日本の野田総理の会談要求を拒否した。最近、激しさを増している日本の尖閣諸島(中国名=釣魚島)への領有権主張に、気を害したようだ。日本も無視する中国が、フィリピンを小国扱いするのは驚くべきことでもないかも知れない。中国が力をつけて、時を待つ「韜光養晦」を諦め、経済力や軍事力を基に、大手を振る「咄咄逼人」時代に差し掛かっているようにも見える。

方炯南(バン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com