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[オピニオン]ファーストムーバー

Posted May. 02, 2012 07:27,   

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梨花(イファ)女子大学の李御寧(イ・オリョン)碩座教授は、講演の時、「ファーストペンギン(最初のペンギン)」についてよく触れる。二の足を踏んでいるほかのペンギンたちに先立って、真っ先に海に飛び込むペンギンのように、果敢に行動する人を意味する。李教授の本、『若さの誕生』で、この句を見つけたチェ・ジェヨン氏は、若者らの自己経営カフェ「ザ・ファーストペンギン」を、ソウルの高麗(コリョ)大学や梨花女子大の前にオープンさせた。オンライン広告マーケティング会社・アイパートナーズを起こしたムン・ジュンホ代表は、『魔法の5年』という本のなかで、成功の4法則の一つとして、ファーストペンギン法則を取り上げている。

◆韓国の大手企業がグローバル舞台でも活動できるようになったのは、1998年の通貨危機後、過酷なリストラを経て、果敢な世界化戦略を駆使した結果だ。三星(サムスン)電子は、スマートフォンの先導者である米アップルに追いつき、「フォンブレット(スマートフォン+タブレット)という新しい市場を開拓した。ファーストフォロワー(fast follower=早い追従者)戦略とファーストムーバー(first mover=先導者)戦略が共に活かされた。ファーストペンギンこそ、ファーストムーバーになりうる。ファーストムーバーはうまくいけばトップになるが、ファーストフォロワーは、うまくいっても2位だ。

◆アイデアだけで、ファーストムーバーにはなれない。ソウル大学の李根(イ・グン)教授は一昨日、大韓商工会議所の討論会で、「韓国は内需市場が小さく、英語が共用語でない上、世界最大市場の米国の文化コードに合わせるのが難しい非先導国であり、ファーストムーバー戦略は適切でない」と主張した。世界の8億5000万人が加入したフェイスブックは、それ自体が大きな市場でもある米国で人気を得て、早いテンポで世界へと広まった。韓国ではサイワールドやアイラブスクールなど、似たようなサービスが人気を集めたが、市場規模が小さく、ビジネスモデルとしては大きな成功を収めることができなかった。

◆国内環境も変わっている。米国や欧州連合(EU)、インドと交わした自由貿易協定(FTA)が発効した。韓中間FTAまで成立すれば、世界市場への進出はかつてよりは一段とやりやすくなる。外国語や情報技術(IT)など、海外でも通じる親和力を身につけている若者らが徐々に増えている。10数年前にバック一つを手にして旅立つ海外旅行が流行ったのと同様に、最近の若者らの夢は、海外での就職や海外起業だ。国際舞台で先に評価を受けたいとして、米国で会社を立ち上げ、サービスを開始するゲーム会社もある。当面は難しいだろうが、韓国産ファーストムーバーが、世界をまたにかける日も遠くないような気がする。

洪権熹(ホン・グォンヒ)論説委員 konihong@donga.com