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[社説]鄭夢準も出馬、セヌリ党はビジョン競争を十分にせよ

[社説]鄭夢準も出馬、セヌリ党はビジョン競争を十分にせよ

Posted April. 30, 2012 08:32,   

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鄭夢準(チョン・モンジュン)セヌリ党元代表が29日、金文洙(キム・ムンス)京畿道(キョンギド)知事に続き2番目にセヌリ党の大統領選候補を選ぶ党内選挙に出馬することを宣言した。来月、李在五(イ・ジェオ)議員まで出場の意向を示せば、朴槿恵(パク・グンヘ)非常対策委員長に対抗する非朴陣営の大統領選の構図が明らかになる。鄭元代表は記者会見で、「企業を経営し、外交の現場を飛び回って一つになった大韓民国を作った経験を生かし、新しい歴史のページを開く」と述べた。

鄭元代表は、格差などの問題について、「問題提起はあるが解決策はなく、対立だけが増幅している。(政治家が)甘い言葉で国民を幻惑させている」と批判した。政界が正しい民生政策を提示できず、国民の顔色をうかがうことに汲々としたという自省の声だ。鄭元代表は、選挙戦でこのような問題を解決する具体的な代案を提示しなければならない。

07年、セヌリ党の前身のハンナラ党大統領選候補選びの時、最大の関心は「検証」だった。李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵両有力候補は、様々な疑惑をめぐって激しい攻防を繰り広げた。党で国民検証委員会まで作った。公開検証が党内選挙を活性化させたが、候補の政策やビジョン競争は後景に退いた。

セヌリ党は昨年末、各種悪材の中、非常対策委員会体制を発足させ、アイデンティティ論議に包まれた。非常対策委が党の綱領から保守の用語を削除しようとして論争が起こった。朴委員長がなかったことにまとめたが、同様の論争はいつでも起こる可能性がある。金鍾仁(キム・ジョンイン)元非常対策委員が主導した経済民主化議論に対して、親朴(親朴槿恵)系議員まで、「あまりにも抽象的で何の話か分からない」と不満を述べている。対北朝鮮問題や福祉戦略についても、各論に入れば「同じ党の所属なのか」と思うほど大きな違いがある。政党は価値結社体でなければならない。政策とビジョンの競争が党内勢力の対決に埋没しては、12月の本戦で悪材になる。

大統領候補を選ぶ党内選挙は、本戦に先立って国民に党が掲げる人物とビジョンを披露する場だ。選挙戦の過程で、言葉だけでなく実質的な民生ビジョンを提示することが重要だ。今回の選挙戦がビジョン競争の新たな地平を開くなら、野党陣営の大統領候補レースと差別化する機会になれる。

鄭元代表の出馬会見場には、側近議員2人だけが参加し、鄭元代表に対する「党心」をうかがうことができる。しかし、党の最大株主である親朴陣営は、「選挙戦は事実上終わった。何に気を使うことがあるのか」といった対応をしてはならない。大統領選候補選びの党内選挙は、5年の国政に責任を負う党の代表走者を選ぶ貴重で意味ある手続きだ。候補の間に激しいビジョン競争が起こってこそ、選挙戦の真正性と興行性を引き上げ、本戦の競争力を高めることができる。