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[社説]米国産牛肉の管理に万全を期すべきだ

[社説]米国産牛肉の管理に万全を期すべきだ

Posted April. 26, 2012 08:03,   

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米カリフォルニア州の牧場で乳牛1頭が、「狂牛病」として知られる牛海綿状脳症(BSE)にかかったことが明らかになった。米国でBSEが確認されたのは、06年以降6年ぶりのこと。農林水産食品部は詳しい状況を把握した後、必要な措置を取ると明らかにしているが、まだ通関手続きは中止していない。しかし、一部の大手スーパーが米国産牛肉の販売を中止し、輸入肉流通業関連株価が暴落するなど、市場は敏感に反応している。

米農務部は、「問題の牛は牛乳生産のための乳牛であり、牛肉用として畜殺されたことがなく、牛乳はBSEを感染させないため、人に危険を及ぼす可能性はない」と明らかにした。米国産牛肉を大量に輸入しているカナダやメキシコも、直ちに米国産牛肉の輸入を中止する計画は無いと明らかにしている。日本政府も、「輸入段階で特段の措置は必要ない」と明らかにした。

韓国が輸入している米国産牛肉は、生後30ヶ月未満に限られている。30ヶ月未満の牛は、人間狂牛病を誘発する変性プリオンを摂取しても、中枢神経系まで感染する可能性が低く、比較的安全である。脳や脊髄など、変性プリオンの多く含まれる7つの部位は、特定危険物質(SRM)に分類され、除去した後韓国に輸入される。これまで米国で発生した人間狂牛病(ヒトクロイツフェルト・ヤコブ病)の死亡者3人は、英国などから移り住み、出身国で感染した可能性が高い。科学的根拠も無く、不安だけを増幅させる過度な反応は警戒しなければならない。

しかし、米国産牛肉を巡る韓国民の不安感は少なくなく、当局は徹底した検疫や厳しい事後管理に万全を期すべきだ。国民の健康に直結する食べ物は、輸入や流通過程に、2重、3重の安全装置を講じるのが望ましい。米国に対し、詳しい情報を要求し、輸入衛生や検疫条件を強化し、必要な場合不安要因が完全になくなるまで、輸入を中止する案も検討する必要がある。韓国は米国で狂牛病が初めて発生した03年、牛肉輸入を全面禁止したことがある。

1990年代初頭、英国で大量に発生したBSEの主要原因が動物性飼料だったことが分かり、1997年から、牛に動物性飼料を食べさせることが禁止され、その後BSEの発生率は激減した。今回に発病した牛は、動物性飼料が原因ではなく、非整形BSEである可能性が高い。発生頻度の極めて低い事例とはいえ、気を許すことはできない。むしろ、新たな狂牛病対策作りに取り組む局面になりかねないだけに、政府と学会との緊密な協力や対応が欠かせない。